テザリング組手

火を見て森を水

A Country Western ライブ映像

現行で活動しているバンドの最新の姿を確認するには?そりゃもうライブを直接見るしかない。
なんとも贅沢なことに、インターネットや通信環境の整った現代に於いては有志の撮影・アップロードしたデータを確認することで、遠く海を隔てたバンドの動向だって知ることが出来てしまうのである。(ありがとう!)
そして、A Country Westernのライブ映像は非常に興味深い。新機軸の未発表曲だけでなく、既存曲のアレンジにも目を見張るものがある。ぶっちゃけ直近の、当該バンドに関する記事2つはこのライブ映像紹介の記事の前フリみたいなものだ。記事を書いた理由は日本人にACW好きがいると判明したことに端を発するが、記事を書いていく中で出会った彼らのライブ映像があまりにもすばらしかったことが、更に書き上げる意志を加速させた。

ということで、2026年6月時点でYouTube上で確認できるA Country Westernのライブ映像についてまとめる。

好きな曲だけでもつまみ聴きしてみると、発見があって面白いはずです。
特記に値する音源や各ライブバージョンでの差異も合わせてまとめてあります。

∇2026/7/11 osprey corp.のアップロード1本を追加

楽曲の収録状況については下記の通り表記する。

  • Phenom >EP1
  • A Country Western (Self titled) >EP2
  • birdfeeder >AL1
  • An Insult to the Sport >SP
  • A Life on the Lawn >AL2
  • Unreleased Truck >UN

各楽曲の始まる目安の時間も記載しておいた。既にYouTube上のコメント欄で時間指定がなされているものはそちらを、そうでないものは僕がコメントしているので、便利に活用して聴いていただけると幸い。

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2021年8月5日 @ BABYGAP| Philadelphia, PA

www.youtube.com

セットリスト

  1. On Edge (EP2) 1:18~

  2. Six Shooter (EP1) 4:05~

  3. birdfeeder (AL1) 6:32~

  4. You Only Sold Me (AL1) 8:39~

所感

  • 地元フィラデルフィアでの、1stアルバムのリリースを控えた時期(1stは9月10日リリース)ライブ映像。
  • コロナ禍ロックダウンが緩和されて来たあたりだろうか。
  • 映像及び音質は荒れ気味。
  • 四人での演奏が確認できる。

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  • 全体的に音源に基づいたアレンジで演奏されている。
  • birdfeederは歌無し。”Switchering"の声が確認できるので、ErikとParisがベースとギターを入れ替わって演奏していると想像できる。
  • You Only Sold Meのライブ音源が聴けるのは貴重。

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2022年6月18日 @ Gather East Rock| New Heaven, CT

www.youtube.com

セットリスト

  1. Mussel (EP2) 0:00~

  2. Six Shooter (EP1) 3:54~

  3. Keeping up with the Joneses (SP) 7:10~

  4. Crossing out My Lines (SP) 9:11~

  5. On Edge (EP2) 12:22~

  6. birdfeeder (AL1) 16:08~

所感

  • 2022年コネチカット州でのフルセット映像。
  • 愉快な帽子をかぶれるイベント?ライブハウス?楽しそうな観客の様子がうかがえる。
  • ライブステージは手狭に見える。音響的に調子は悪そうで、PAとやり取りしたり中央のアンプの傾きをいじるDerekの動きもしっかり捉えられている(Crossing out~への遷移の際の音かマイクスタンドの移動で倒れてしまったようだ)。とはいえDerekは上機嫌そうだけど。

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  • Musselは後半部が音源と異なっている。ノイジーだったパートは、楽器全体で四分を刻む重い展開に置き換わっている。
  • スプリット盤から収録曲2曲を演奏している。
  • birdfeederはこのライブでもボーカル無し。

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2023年4月8日 @Audeoboi Studios| Philadelphia, PA

www.youtube.com

セットリスト

  1. Mussel (EP2) 0:00~

  2. Fade Away (EP2) 4:38~

  3. Great is the Grip of the Hawk (AL2) 7:44~

  4. Keeping up with the Joneses (SP) 9:30~

  5. Crossing out My Lines (SP) 11:20~ 途中で映像が飛ぶ

  6. Ridgeline (AL2) 13:26~

  7. Magnetic (AL2) 16:28~

  8. How Far (AL2) 19:34~

  9. Wasting the Weekends (AL2) 22:08~

  10. Sidewalk (AL2) 26:11~

所感

  • 地元フィラデルフィアのレコーディングスタジオ、Audeoboiでのライブ映像。白黒。
  • 地元だからか多少リラックスした雰囲気に見える。
    "Keeping up~"の開始前にはParisが歌を確認している声がマイクに拾われてErikに笑われている。
    "Great is the Grip of the Hawk"のタイトルを発言した際には客席からの笑いが聞こえる。やっぱり大仰なタイトルだよね?

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  • 2ndアルバムの楽曲お披露目、の側面があるライブ。
  • 2ndの録音時期は2023年の夏ごろ。ということで、まだ固まっていないアレンジを聴くことができる。
  • 特に8曲目"How Far"はバースに当たる部分が歌無しのリフになっていて歌は音源版のコーラス部分を繰り返すだけ、というまさに検討中のヴァージョン。音程も高くなっている。
  • ライブでの”Ridgeline"は音源と異なり、コーラスにてドラムがスネアを四分で四つ刻むのだが、ほぼ初稿であろうこの段階からその前ノリなアレンジである。

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2023年4月14日 @The Broadway| Brooklyn, NY

www.youtube.com

セットリスト

  1. Mussel (EP2) 0:00~

  2. Keeping up with the Joneses (SP) 3:02~ 最初が途切れている

  3. Crossing out My Lines (SP) 4:12~

  4. Ridgeline (AL2) 6:40~

  5. Great is the Grip of the Hawk (AL2) 8:46~

  6. Slugshot (EP2) 10:28~

  7. Fade Away (EP2) 13:08~

  8. Wasting the Weekends (AL2) 15:45~

所感

  • 一つ前のライブからたった一週間後、ニューヨーク・ブルックリンでのライブ映像。大入り満員!
    それに呼応するように熱のこもった、ほとばしる名演。
  • 少し音は籠って聞こえ、撮影位置も遠景だが、たぎった雰囲気と少々ラフな映像の雰囲気の食い合わせは寧ろ良い。
  • "Crossing~"や"Slugshot"の入りで客席から歓喜の声が聞こえる。

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  • 声を大にして伝えたいほど、Erikの演奏がたぎっている。1曲目"Mussel"のイントロ~バースに入った後のハウリングを伸ばす動きは見ていて興奮しない人はいないだろう。〆のバッキングにGarrettがシンバルのミュートを合わせているのも凄まじく美しい。Erikはこういった熱演を涼しい顔でこなしてしまうところが非常に魅力的である。
  • Derekは緊張気味?"Ridgeline"で演奏の回数を間違えたり、"Fade Away"の入りをトチったり、"Weekends"もイントロを間違えたり…(あからさまなFuxx!が微笑ましい)。モニターの問題なのか、歌の音程は取りづらそうにも見える(会場の音自体が結構大きそう)。

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2023年8月7日 @Kilowatt| San Francisco, CA

www.youtube.com

セットリスト

  1. Mussel (EP2) 0:00~

  2. Six Shooter (EP1) 4:20~

  3. Fade Away (EP2) 7:20~

  4. On Edge (EP2) 10:55~

  5. Great is the Grip of the Hawk (AL2) 13:50~

  6. Keeping up with the Joneses (SP) 15:30~

  7. Crossing out My Lines (SP) 17:20~

  8. Ridgeline (AL2) 20:10~

  9. Magnetic (AL2) 23:20~

  10. How Far (AL2) 27:05~

  11. Wasting the Weekends (AL2) 30:00~

所感

  • サンフランシスコの、最前列で撮影されたライブ映像。
    カメラの向きで集音方向の変化する、臨場感のある34分。
  • 主にDerekとErikの演奏に注目できる。Derekが来ているTシャツはフィラデルフィアのパンクバンドME N U*1のもの。

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  • Derekのギターが吠えている回。"Six Shooter"でのアウトロ、”On Edge”のコーラス部のリフ、Erikの演奏を背に炸裂している。必聴です。
  • How Farは音源と変わらないアレンジにまとまっている。2ndの録音が完了した時期だろうか?

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2024年3月15日 @Holy Frijoles| Baltimore, MD

www.youtube.com

セットリスト

  1. Keeping up with the Joneses (SP) 0:19~

  2. For a Voter (AL2) 2:35~

  3. Ridgeline (AL2) 5:43~

  4. No Alcohol (UN) 8:48~

  5. Sidewalk (AL2) 11:14~

  6. The Dreamer (AL2) 16:01~

  7. Fade Away (EP2) 19:55~

  8. ???/ Instrumental Tune w/Garrett on a guitar (UN) 22:08~

  9. Wasting the Weekends (AL2) 25:18~

所感

  • ミズーリ州ボルチモアでのライブ音源。映像は無く静止画。
    ちょっとアウェイな雰囲気で、淡々とした演奏を聴くことができる。
  • Ridgelineが視聴解禁された時期のライブみたい。
  • スプリット盤の流れ通り"Keeping up~"から"Crossing~"に繋がらないセットリストは(当時からすると?)珍しい。
    "Great is~"が演奏されていないのも珍しいかも。
    色々といつもと違う雰囲気のあるライブである(後述の共演を考えると、アッパーになりすぎないセットリストにしたのかも?とも思う)。
  • 6~7曲間のMCで22° Haloの名前を挙げている。「フィラデルフィアから僕らを呼んでくれてありがとう」という内容か*2

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  • (ライブ記録を追う限りだが、)"No Alcohol"初出。2ndの録音期前後か最中に出来ただろうと想起。
  • 8曲目は、Garrettがドラムでなくギターを弾くインスト楽曲。多分Erikがドラムについている?
    一つのリフレインを起点にして、バッキングに呼応した演奏をしたりしなかったりして進んでいく楽曲。同じフレーズが違った色付けで展開していく雰囲気は、同じ道を歩いている心地に近いかもしれない。そう考えると途端にGarrettらしさを感じるのである。いい曲。

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2024年4月14日? @The 4th Wall| Austin, TX

www.youtube.com

セットリスト

  1. Keeping up with the Joneses (SP) 0:00~

  2. Crossing out My Lines (SP) 1:57~

  3. Great is the Grip of the Hawk (AL2) 5:38~

  4. For a Voter (AL2) 7:37~

  5. Ridgeline (AL2) 10:09~

  6. No Alcohol (UN) 13:10~

  7. The Dreamer (AL2) 15:40~

  8. Sidewalk (AL2) 18:55~

  9. How Far (AL2) 24:29~

  10. Wasting the Weekends (AL2) 27:24~

所感

  • 詳しいライブの日時は不明、テキサス州オースティンでのライブ映像。
    音も映像も質が良い。
    同郷のKettle*3と共に出演したようだ。

  • 各曲の開始位置は投稿しているOsprey Corpによって設定されている。曲名は結構違っているが…。ライブの演奏と撮影・投稿が4月ならば、2ndのリリースはされているはずなので奇妙。歌詞中で直接的には歌われないような内容を名前としているのがなかなか面白い部分ではある。
  • Derekはケータイが電池切れなのか忘れたのか、使えないらしくセトリを見るのにParisを頼っている。(そのせいか少々演奏トチり気味?)
  • Sunforger*4と共演した日みたい?

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  • 2ndアルバムの楽曲をメインに構成されているのでレコ発的な側面が強そうである。
  • 前述の通り"Great is~"にてDerekが歌詞を見事に間違えまくっている。
    (この頃まで"Great is~"はDerekとErikの二人が歌う力強い楽曲。)
  • 反面、全体的に聴きやすくまとまっているライブ。

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2024年9月30日? @Hidden Fortress| Philadelphia, PA

www.youtube.com

便宜的に、一曲目Musselの動画だけ埋め込む
他の曲は各リンクから直接飛べます

セットリスト

  1. Mussel (EP2) 

  2. Runners on the Mark (UN) 

  3. Sidewalk (AL2) 

  4. No Alcohol (UN) 

  5. The Dreamer (AL2) 

  6. Ridgeline (AL2) 

所感

  • 地元フィラデルフィアでのライブ映像。一曲毎に上がっている。
  • Hidden Fortressは、Kieran Ferrisが運営しているレコーディングスタジオ。彼はAlex GのHeadlightsにエンジニアとして参加していたり、Blue Smileyの作品にも携わっていたらしい。フィラデルフィアシーンの重要人物の一人。
  • ドラムの後ろにマネキンだかダッチワイフが置かれていて、たまに目が合うとぎょっとする。

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  • 緩急のある内容。良い感じに肩の力が抜けつつも緊迫感もある雰囲気。
  • 久々に演奏が見られたMusselは今までの演奏よりもテンポが抑えられている。スロウコアに接近したアレンジ。要所でのGarrettのシンバルミュートが光る。
    後半部分にもアップデートが見られる。じわじわと熱を上げていくアレンジ。
    音源・これ以前のライブバージョン・このライブのアレンジを比較するのはとても楽しい。
  • 新曲"Runners on the Mark"の初披露(かも)。グルーヴの削ぎ落とされたのっぺりとしたインディロック。雄弁なリードギターが焦燥感ある演奏の上で奏でられる。

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2024年10月20日 @Pilot Light| Knoxville, TN

Pt. 1

www.youtube.com

Pt. 2

www.youtube.com

セットリスト

-Pt. 1-------------------------------

  1. Mussel (EP2) 0:36~

  2. Halo Mode (UN) 5:14~

  3. Keeping up with the Joneses (SP) 8:28~

  4. Crossing out My Lines (SP) 10:19~

  5. Great is the Grip of the Hawk (AL2) 13:25~

  6. Ridgeline (AL2) 15:01~

  7. Six Shooter (EP1) 18:02~

  8. Runners on the Mark (UN) 20:29~

  9. Sidewalk (AL2) 22:43~

-Pt. 2-------------------------------

  1. Not Far Enough (UN) 0:00~

  2. The Dreamer (AL2) 2:55~

  3. No Alcohol (UN) 6:40~

所感

  • テネシー州ノックスビルでのライブ映像。2本に分けられている。
    画質音質が良く、メンバー全員を確認できるいい映像。
  • 未発表曲を多く聞けるセットリスト。
  • 背景のVJがいなたいACWの雰囲気に合致していて雰囲気が良い

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  • "Mussel"は今回も遅い、新しいバージョン。
  • 久々の"Keeping up~"から"Crossing out~"が続くセットリスト。
  • "Great is~"ではErikのみがボーカルを取るようになっている。
  • "Halo Mode", "Not Far Enough"が初出。
    Halo Modeはミニマルにきらびやかに進む楽曲。
    Not Far Enoughは"Wasting~"を思わせるミドルテンポ、歌で聴かせる楽曲。

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2024年11月5日 @Alive in the Basement by WNYU| NY

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セットリスト

  1. Great is the Grip of the Hawk (AL2) 0:00~

  2. Ridgeline (AL2) 1:45~

  3. Sidewalk (AL2) 4:46~

  4. No Alcohol (UN) 10:12~

  5. Wasting the Weekends (AL2) 12:40~

所感

  • ニューヨーク大学主催のラジオ、WNYUの企画"Alive in the Basement*5"でのライブ映像。

  • 間近で撮影されており迫力満点。同時に音割れも満点。
  • 2ndアルバムの要所と新曲No Alcoholをコンパクトにまとめた16分。

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  • Sidewalk終盤のErikの泣きのギターソロが炸裂している。荒い音質と相まって情感たっぷりでたまらない。(ちなみに、ソロに入るまでに普段より一周長めにアルペジオパートを演奏してしまっている…が良い効果をもたらしてくれている側面もあるだろう。)
  • 2,3曲目の音割れが本当にすさまじい。それ以降はガレージロックのような雰囲気の曲が続くため、むしろ相性よく聞こえる。

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2026年5月11日? @Khyber Pass| Philadelphia, PA

www.youtube.com

セットリスト

  1. Keeping up with the Joneses (SP) 0:11~

  2. Slugshot (EP2) 2:18~

  3. 45 degrees (UN) 6:08~

  4. Halo Mode (UN) 12:02~

  5. Great is the Grip of the Hawk (AL2) 15:25~

  6. ???/ "Into the front line"? (UN) 17:50~

  7. No Alcohol (UN) 22:14~

  8. Not Far Enough (UN) 25:00~

  9. Fade Away (EP2) 28:41~

所感

  • 地元フィラデルフィアのパブ、カイバーパスでのライブ映像。最前列で撮影されている。
  • 落ち着いた速さの曲が多いセットリスト。それを受けてか、全曲通してテンポ感の落ち着いた演奏が楽しめる。スロウコア好きならば通して視聴してほしいライブ映像である。
  • 未発表曲も多く演奏されており、新機軸・新譜の気配を期待できる一本。
  • ゆったりした曲で特に、Garrettのライドシンバルの扱いに感心します。

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  • "Slugshot"が、直近の"Mussel"と近い手法で重厚なスロウコアにアレンジされている。必聴。
  • "45 degrees"とタイトル不明な新曲(歌い出しは"Into the front line"なので便宜上そう呼ぶ)が初出。
    45 degreesは訥々と歌が進み、間奏で爆発するスロウコア。
    Into the front lineはブリッジミュートにハーモニクスのリード、ツービートで進む、どことなくロカビリー・カントリー調なインディロック。
  • "Halo Mode"も随分達観したようなテンポ感、スラッカーな雰囲気。ピンボーカルがやるような/ ノーウェーブのような歌い捨てるような歌唱で、このバージョンも格好いい。
  • "No Alcohol"の開始前にDerekはビールをひと飲みしている。

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2026年6月15日? The Lovely Area| Philadelphia, PA

www.youtube.com

セットリスト

  1. Great is the Grip of the Hawk (AL2) 0:15~

  2. No Alcohol (UN) 2:19~

  3. ???/ "Shifting through my credit card", "You are pull away from me" (UN) 4:23~

  4. ???/ Garrett on a guitar, Erik plays drum but... 8:52~

所感

  • 地元フィラデルフィア西方の屋外会場The Lovely Areaでのライブ映像。野外なのに音がとても良い!
  • 3曲終わった時点で切り上げになってしまうライブ。音がデカ過ぎたのか?
  • 当局に申し出はしていた(許可取得済み)なのに警察によってイベントが中止にされてしまったとのこと。$2,000の罰金があったらしく、主催も反抗心を隠していない。俺も4曲目が聴きたかったので同じ気持ちです。

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  • 3曲目が初出の新曲。歌の内容からすると"Pulling All My Stops"がこの曲だったりする?
    Let it beに似たコード、All My Lifeに似たリズムの、バラードな楽曲。
  • 4曲目ではGarrettがErikと楽器を交代している。同時にマイクチェックもしている。この楽曲がボルチモアで演奏されたインスト楽曲なのか、はたまた別の楽曲なのか、それともインスト楽曲に歌が付いたものなのか、真相は無慈悲にもフィラデルフィア警察によって葬られてしまった。演奏前のコードはボルチモアの楽曲とは音程が違うが雰囲気は似ている。

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2025年12月4日 Phily Style Piza| Philadelphia, PA

www.youtube.com

セットリスト

  1. Great is the Grip of the Hawk 0:00 ~

  2. No Alcohol 2:11~

  3. ??? You're pull away from me 4:30~

  4. ??? The Day has Come (Garrett on a guitar and vocal) 10:42~

  5. Town (Garrett on a guitar and vocal) 13:50~

  6. Halo Mode 19:18~

  7. 45 degrees 22:25~

     

所感

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  • The Lovely Areaで聴けなかった、Garrettがギターとボーカルを取る楽曲がようやく聴ける!しかも、2曲もGarrettメインの楽曲が続く。
  • 2曲とも弾き語りを発展させたような朴訥とした楽曲。Horse Jumper Of Love周辺との共鳴を感じる。
  • The Day has ComeはMr.ChildrenのI'll be(アルバム)のようなアルペジオの入り。Townはメレンゲの春雨の午後のようなイントロ。
    どちらもフォーキーということだろうか。
  • Halo Modeはバースの歌が語り捨てるようなものに確定したのかな?ノーウェーブ的、Pixiesを想起するぶっきらぼうさがコーラスのきらびやかさとの対比となり、良い。

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おわりに

どうでした?
紹介した全部の動画観切った人います?いるワケねえか!いたらコメントしてくださいよ。話そうよ。
最初に書いた通り、好きな楽曲だけでも追ってみると確実に何かしら発見はあるはず。もしくは、未音源化の楽曲だけでも聴いてみると、今後の彼らの動向により一層興味を持てるだろう。

A Country Westernは変化の止まないバンドである。Weather Vaneのインタビューで言及された際限ない挑戦*6がその根底にあることは想像に難くない。だからこそ、これほどまでに変化に富んで興味深い姿を見せてくれているのだ。

幸いにして、彼らは現在進行形で活動してくれている。活動しているのは遠い地ではあるけれど、その動向は決して見逃せない。

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*1:ME N U - Push Pin 電子音の入ったパンクス。かっこいい。

menumenu.bandcamp.com

*2:22° Haloには奇しくもBaltimoreが歌詞中に出てくる楽曲がある(Orioles at Dusk)。名曲ぞろいのアルバムなのでぜひ聴いて欲しい。該当楽曲は、言うなれば「Bump Of Chickenのイデアを鳴らすDIYインディ」の雰囲気で、日本人リスナーにも広く受け入れられるポテンシャルに満ちている。

22halo.bandcamp.com

*3:KettleはJulia's War所属のアコースティックなバンド。レーベルから考えたら異質なのだろうか、むしろ22° HaloとかGreg Mendezと共鳴しそうなバンドである。

kettlekettle.bandcamp.com

*4:Sunforger カナダのポストグランジバンド。2026年5月の新譜は名作、是非一聴されたし。ACWの古巣Cooked Rawにてヴァイナルをリリースしつつ、Julia's Warにも所属しているようだ。TAGABOW周辺のPhillygazeシーンとの共鳴をする音像。国境を越えて似通った音楽が産まれている、という状況は、TAGABOW周辺の音像の傾向がいちジャンルとして成り立ってきている証左に違いないんじゃないだろうか?UKにはthistle.およびそのメンバーがプロデュースするDog Saintsというバンドがおり、2バンドともフィラデルフィアシーンとの共鳴がある。

sunforger.bandcamp.com
thistle.の5/29リリースの新譜。こちらもとてもいい。

thistlethistlethistle.bandcamp.com
こちらはDog Saintsの2025年シングル。遠くほんのりぼやけて聞こえるギターの轟音はPhillygazeシーンで聴けるものに近い。

dogsaints.bandcamp.com

Dog Saintsの作品について色々語られている記事はこちら

*5:WNYUのAlive in the Basementには数多のバンドやDJのプレイの様子が収められている。私の好みの話ではあるが、Deadharrieの映像もある!名演。

WNYU - YouTube

*6:Matt Miadesは2021年の初めに亡くなった。「いつも楽曲制作の初めには父親からのフィードバックを貰っていた。今彼はもういない。今の僕らは『父親が良いと思う音楽を作る』際限ない挑戦をしている。」というGarrettの弁。

youtu.be

A Country Western 極個人的視聴ガイド

A Country Westernの作品について、作品の背景情報と楽曲毎の所感を以て紹介していく。
視聴所感なぞ個々人の主観でしかない。もし難解なものがあった際、それを紐解く「聴き方」のカードとしていただければ幸いである。

そもそも私は音楽が耳に入ったら、脳ミソじゃなく身体に流すような享楽的な人間だ。その人間がちょっと頭で聴いた内容を文章にまとめたものである。
あまりアテにしないでいただきたい!

実は、最後の最後に紹介している、現行未発表音源のライブ映像がとてもアツい。過去から積み上げてきた要素をバンド全体で身体的に昇華している。
そこを皮切りに他のバンドの音源を聴き始めてもらうのも良いかと思います!

 

A Country Westernの作品- 概要と所感

Phenom

サブスクリプション配信されていない、Bandcampでのみ聞ける音源。タイトルは俗語で「天才」という意味のよう。

Computer Datingの活動期間中にリリースされた唯一の音源。DerekとGarrettがそれぞれ複数の楽器を演奏して制作した5曲。Garrettはドラム、ベース、キーボード、Derekはギター、ボーカル、キーボードを担当。

セルフタイトルや1stアルバムbirdfeederに接続していくような、乾いたギターのスロウコアやアンビエントな楽曲が聴ける、宅録らしさの詰まった一枚。

楽曲は生演奏や打ち込みでの音源作成、その編集(ループ、スローダウン等々)によって形作られている。ほの暗く、手作りゆえの温もりも感じる、ミニマルDIYミュージック。

Recommend If You Like: Duster, Kitchen, Alex G, Deadharrie

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1. I Feel Like the Mayor

唸るキーボードを基調に、途中から輪郭のぼやけたドラムとギターが入ってくるインスト楽曲。

2. Mint 400

乾いたギターのバッキングに憂いある単音ギターがリフを弾く、6,6,4拍子で進む荒涼な楽曲。Dusterを想起。歌詞の内容は「彼には独りの時間が必要。独りになるために彼は産まれてきた。」。

3. Vessel

エコーするギターのぼやけた音像の上で逆回しされたドラムの打音が響く。サンプリング音声が"That's all fact"と数回繰り返したのち、ギターは輪郭を取り戻し、ドラムも順回しでリズムを奏で始める。インスト楽曲

4. Six Shooter

6,4拍子のパラディドルでリズムを刻むドラムの上で、尻切れ気味な、諦観や自嘲めいた雰囲気のあるギターリフが特徴的な楽曲。歌が始まると3拍子になる。「6つ数えて引き金を引く」歌詞がゆっくりと歌われる。訥々としたギターと、出だしの遅れるベースの醸し出すDIYなグルーヴ。

5. Drive

情感を湛えた、キャッチーリフが炸裂し、楽曲を牽引する楽曲。短い歌が終わると、そんなリフと引き立て合うキーボードのメロディが始まり、会話するフィールドレコーディング音源が流れて終幕。同郷Alex Gへのリスペクトを思わせる名曲。

 

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A Country Western

コロナ禍ロックダウン中に制作されたセルフタイトルEP。cooked raw labelよりリリース。

前作から引き続き、DerekとGarrettの二人で制作された7曲。前作と同様の制作手法=録音・打ち込み音源の編集で形成された楽曲の、飛び道具的アレンジは健在。遠く荒涼に鳴る印象的なフレーズはリフレインし、ノイズのかかった音像と共に哀愁を運ぶ。
楽曲間はサンプリング音源やフィールドレコーディング、歪んだくぐもった音像による輪郭のぼやけたインタールードが挟まり、楽曲の終わり際を濁しつつ進んでいく。優しい歌い方と演奏で、昼過ぎのまどろみを思わせる、一枚通してするすると耳に入ってくる16分間。
その耳当たりの良さとは裏腹に、言葉少なながらも内省的・焦燥感のある重苦しい雰囲気の内容の歌詞は、当時の世相をよく表していると言えよう。短く示唆的な歌詞が大半であり、翻訳はしやすいものの本意は類推する必要がある。

cooked raw labelによって作品に合わせた映像作品が作成されている。少し悪趣味でチープなDIY映像は、どうしてもロックダウンによる閉塞感をまとった楽曲と非常にマッチしており、ファンであれば必見だろう。(下部楽曲解説の前に張り付けておいたので、読みながらでも見てみてほしい。)

BLIGATORY*1の設立者及びドレクセル大学関係の非営利ラジオWKDUのパーソナリティを務めるDominick Baglivoは2020年のベスト盤第8位にこの音源を据えている*2

www.youtube.com

Recommend If You Like: Duster, Alex G, All Structures Allign
(Philth MediaはElvis Depressedlyの"Holo Preasures"の遠くから聞こえてくる響きを思わせる、と書いている。Elvis Depressedlyを挙げていたり、インタールードとインスト曲をフェイヴァリットに挙げていたり、Philth Mediaの筆者がニッチな趣味の、ダイヤルアップ接続の音が好きな曲者だと思えてならない。Instagram)

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1. Mussel

「ムール貝」。遠くからいなたいギターが入ってくる楽曲。揺らめく陽炎の向こうから輪郭が向かってくるような雰囲気は、ジャケットの印象に近い。後半ではスローダウン・スケールダウンし、終盤はイントロの逆回しと次曲に繋がるドラムで幕を閉じる。
ライブでも一曲目に演奏されることが多く、その際には後半部がノイズパートに置き換えられる。

2. Voicemail

「留守電」。前曲から繋がる軽快なリズムとは裏腹に、最初に飛び込んでくる弦楽器は低音の効いた重いギター。「倒れるな バランスを保て 無垢の壁にたどり着くまで」という短い歌が終わった直後に呼び鈴のようなビープ音。歪んだドラムとギターの打ち込み音源が始まり、最後にはモヤの向こうから聞こえるようなサンプリング音声。

3. In the Waiting Room

序盤に前曲ラストのくぐもったサンプリング音声を引き継ぎ始まるインスト楽曲。こだまするバスドラムとライドシンバル、切り貼りされたギターがいなたさと不穏さを演出する、前作EPの雰囲気をまとった一曲。同郷TAGABOW, SPILIT OF THE BEEHIVEとの相関を見出せそうな楽曲の一つでもある。

4. On Edge

「緊張状態」。情感あるメロディながら淡々と進む一曲。イントロ、コーラスのリフ共々キラーフレーズ。語り捨てるような歌詞は示唆的ながら精神的な不安定さが読み取れる。バーかクラブのフィールドレコーディングのような音源が流れ、テープマシンのボタンを押す音が入って次の曲へ遷移する。

5. Slugshot

「スラグショット*3」。ピッキングハーモニクスを交えた耳に残るリフレインとゆったりしたリズムで進む曲。1回目のバースが終わった後にはギターリフ音源が引き延ばされ早回しされ切り取られ後悔の滲んだような音像をもたらす。低めの声で無感情っぽく歌っているのは恐らくGarrett。ライブだとErikが歌う。

6. Fade Away

打ち込みのドラムが、足で三連符踏む部分が特徴的なリズムを奏で始まる曲。途中途中で生音と打ち込み音源が切り替わるように聴こえる。ストリングスのようにも聞こえるギターの逆回し音源が、コーラス部の歪んだギターの奥からフェードインして終幕に向かう。

7. Good

何かのモーターが回転する音から始まる楽曲。乾いた打音のリズムが始まり、感傷的なリフが入って来て、その後ろでダイヤルアップ接続の音も聞こえてくる。硬質な打ち込みのリズムと恋人と別れ?自分を見失う内容の歌詞も相まって切迫した雰囲気を醸し出す楽曲。最後には他の多くの曲のように音声サンプリングが流れ、"putting out any data?"の声ののちにアコースティックギターによる、穏やかな終演後のようなフレーズが奏でられ、作品が終了する。

 

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birdfeeder

1stフルアルバム。Garrettの父親、Matt Miadesに捧げられた一枚*4*5。birdfeederとは、「鳥の給餌台」のこと。

離別を悼み、受け入れようともがくような作品。通して視聴すると深く潜水する感覚を得られる、重く暗い雰囲気のアルバム。暗い内容の、長い歌詞を持つ楽曲が並ぶ。
最後の最後で、ようやく水面から顔を出したような心地(克己…というより否応なしの前進に近いか)があり、全体的な聴き心地としては、Horse Jumper of Loveの大名盤"Disaster Trick"と趣を同にしている。

Phenomで見せた、音源の編集によるミニマルな楽曲制作はこの1stでも健在。これ以降バンド・演奏ドリヴンな楽曲が増えることを鑑みると、今までの手法による制作、DerekとGarrettの二人組による制作の集大成的な一枚と言えるのかもしれない。

Erik HilbertとParis Parkerが携わり始めた時期の一枚ではあるが、この段階ではまだバンドに参加というよりむしろ、音源制作の手伝い(Erikはミックス・マスター、楽曲Super Glueの提供をした。Parisはライブ演奏。)の側面が大きかったようだ。

個人的には最難関の作品であった。
ACWの聴き始めとしては最も推薦出来ないが、名盤。

Recommend If You Like: Horse Jumper of Love, Fraternal Twin, Deadharrie (初期、宅録時期の), Mormon Toasterhead, Shelf Life

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1. Just

ギターの2音のアルペジオがフェードインしてくるインスト楽曲。海岸・波のようなジャケットの雰囲気を思わせる。タンバリン・グリッドに忠実なドラム・下支えするベース・エコーする電子音のようなギターがじわじわと参加し、次第に抜けていく…するりと通り過ぎさってしまうような一曲。

2. Sun

後ろでほのかに聞こえる水音と共にアコースティックギターで始まる楽曲。Mattと「良い音楽」について競い合っていた、その時間が続くと思っていたであろうことを想起できる内容の歌詞。終盤で元の楽曲は早回しされ収束、打ち込みのリズムと電子音の上で荘厳なパートが歌われる。ここでの内容は「Mattはいなくなったけど(彼の好み・熱意・道しるべは)僕らの中に生き続ける」という内容かと思われる。Open Sessionのインタビューから推察。

3. Forgiver

アルバムに先駆けた先行シングル1曲目。アルバム1曲目Justと被る、遠くからライドシンバルのリズムとギターコードが寄せてくるイントロ。歌のメロディは一つだが、楽曲側のアレンジや工夫で様々な表情を見せる。音源の逆回し~ギターソロ~間奏で穏やかに終わる。…と思いきや、通して流れ続けていたリフレインが執拗な遅回し編集を受け、終幕。名曲ながら重鈍でもある楽曲。
歌詞はMattの人となりについて語ったものだろうか。いろいろな情報をまとめると、なかなか破天荒な人物だったようだ。

4. Super Glue

「瞬間接着剤」。今作から制作に携わり始めたギタリストErikの持ち込み楽曲。Erik歌唱。三拍子で進むアコースティックのバッキングの上で揺蕩う幽玄なギター。途中から歪んだバッキングが入って来てじわじわと歌のパートに進んでいく。歌が始まると四拍子で重く暗い雰囲気。切り傷を塞ごうとして指が瞬間接着されちゃった、という内容。

5. On the Cover

輪郭のぼやけた、重苦しいスロウコアの雰囲気のあるイントロ。反してバースが始まるとドラムンベース的な打ち込みドラムに置き換わり、不穏さや自嘲を孕んだようなメロディが歌われる。次曲の始まりが最後に少しだけ入っている。

6. Womb

前半と後半を分けるような位置にあるインスト曲。サイレンの音、会話、雑踏のフィールドレコーディング音源の裏でかすかに聞こえる、自然に対する畏怖も感ぜられそうなリズムマシンのフレーズがゆっくりと押し寄せてくる。胎児の心臓の音のようなリズムも入っている。ゲームDrag On DragoonやGarageの作中にありそうな一曲。

7. Birdfeeder

表題曲。アルバムの中でも屈指の穏やかな楽曲。比較的長く、録音・ループでない通しでのドラム演奏を聴ける。硬質な打ち込みドラムが入って来て展開。歪んだベースと遠くで聞こえる金属打音のような音の刻むパートが哀愁あるギターアルペジオによって最終盤へ。2曲目Sunと呼応するような内容の歌詞。

8. You Only Sold Me

先行シングル2曲目。いなたい響きのバッキングギターと乾いたドラムから始まる曲。ダブリングしたボーカルの歌のメロディをアコースティックギターがなぞる。素朴な曲調ではあるが歌詞の内容は悲しみを忘れようともがくもの。リズムマシンと音声の逆回しが流れてから哀愁あるギターフレーズのパートが閉幕に向けて進んでいく。

9. Comma

カンマ。童謡のような曲調で物語調の歌詞がDerekとGarrettのデュオで歌われる。ループするリズムにキーボードやタンバリンが加わる、DIY的な小曲。Horsegirlを想起する。

10. Going Home

2021年4月2日リリースの非営利団体支援コンピレーション"Through the Soil vol.1"提供曲。三拍子で淡々と進む、左右からのGarrettの歌声が幽玄な雰囲気をもたらす。歌詞に4単語しか使われていないが、曲の中頃から各楽器が参加してくる、アレンジがリッチな曲。The Slapped Eyeballersの諸曲を想起。

11. Coming to Terms

「受け入れる」。三拍子の美麗なギターとベースのループから始まる最終曲。入ってくるドラムは四拍子のリズムでループする、ウワモノとのズレが心地よいポリリズム。タイトルの通り、曲調の通り身近な人物の死を受け入れ、変容した日常に慣れない中でも諦めずに歩くような歌詞の内容が人間臭くも前向きな名曲。

 

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When was Yesterday

チャリティコンピレーションに寄せられた一曲。

ボストンのCandle Pin RecordsとフィラデルフィアTAGABOWボーカル・Douglas Dulgarian主催のJulia's War Recordingsによる、Savege Sisters Org.*6向けの寄付コンピレーション盤*7の一曲目を飾っている。

Recommend If You Like: Horse Jumper of Love, Fraternal Twin, Deadharrie, Kitchen, The Long Lost

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1. When Was Yesterday

耳をつんざくギターの音の後から、背骨を描くようにベースがメロディを奏で始める。目まぐるしいドラムンベース的リズムの上で童謡めいた歌(カエルのうたのメロディに似ている)が冷徹な歌声で流れる、不穏さと親近感が同居する、エルサゲート・フォーク的作品。birdfeederで言えば9. Comma, 構成で言えばのちのLeisure Skillsをよりループ的手法に振り切ったような楽曲。

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An Insult to the Sport

同郷のシューゲイザーバンドTAGABOWとのスプリット。タイトルは「スポーツに対する侮辱」の意味。ナード根性?

Stereogumからは「2022年ベストEP」と評価されている*8

ACWの3曲は、曲間にインタールードを挟みつつ、Phillygazerシーンと共鳴するようなブレイクビーツから始まり、80'sローファイ・スラッカーロックを経て、冷たく硬質なリフのインディロックへと移行していく。他に類がないほど幅広くジャンルを横断する3曲。

ミニマルな制作からフィジカルな制作への移行の様子を聴いて取れる。ACWを追う際に、2ndアルバムへの布石となる、過渡期を知れる重要な一枚。

2. The Brazilと5. Crossing out My Linesのリフは多少似通っているところがあるようにも聞こえる。この2バンドの表現の枝葉の伸び方の違いを確認するのも一興かもしれない。

Recommend If You Like: full body 2, Pavement, Guided by Voices, Mormon Toasterhead(1st, 2ndの、二つの楽曲が一曲にまとめられてコロコロ変わる気が狂いそうな作品群に類似した楽曲が多いかも)

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1. Elephant (They Are Gutting a Body of Water)

ベルとノイズががったストリングスのような音から始まり、TAGABOWらしいサイケな轟音ギターが入ってくる、2分ほどの曲。歌は消散する勢いでかけられたエフェクトによって濃霧の向こうで歌っているよう。一旦轟音が落ち着いたパートでは心地の良いコーラスのかかったギターが鳴り、改めて轟音シューゲイザーパートが始まって終幕。短時間で「何がTAGABOWたるのか」を理解できる、いい曲。

2. The Brazil (They Are Gutting a Body of Water)

一曲中に三つほど毛色の違ったパートが詰まっている、6分越えの長めの楽曲。歪んだアコースティックギター・スライドの音まで拾うほど過敏なベースとハイピッチにシフトされたボーカルが歌う、Spirit of the Beehiveやナイトコアを思わせる前半。轟音パートを挟んで楽曲はスロウダウン、ボーカルも通常に戻りベッドルームスロウコアとでも表現できそうな雰囲気を醸造する。ここから残り3分間はTAGABOWのライブでも曲間で行われるような、ハイテンションなインタールード。トラップしたリズムは混沌とした音像を叩き込んでくる。3:44にてスマブラのネスのアピールの声(OK!)が使われている。

3. Lung

ACWの盤の火蓋を切る楽曲…なのだが、今までの彼らからしたらありえない、ハイテンポなブレイクビーツのインスト楽曲となっている。推測だが、多分Paris Parkerがこの曲に大きく貢献しているはず*9。後半の轟音ギターパートはいたずらに引き延ばされず、居心地の悪い鉄の擦れるようなループ音源とノイズに曲を引き渡し、すんなり終わる。

4. Keeping up with the Joneses

「隣人との見栄の張り合い」を表す慣用句。前曲Lungとの相関をおくびにも出さない、いなたいローファイリスペクトの楽曲。ボーカルはParis。いなたい響きの歪んだバッキングに合わせて弾かれるのは王道ど真ん中のリードギター。楽曲自体は2分ほどで終了し、残りの30秒はForgiverをぐちゃぐちゃにしたようなノイズのインタールードが次曲に向かって速度を増して終了。

5. Crossing out My Lines

「行を消す」。四・五拍子の硬質で冷たいリフが耳を掴む。リフとは多少裏腹な、正統派な清々しいメロディの歌。楽曲を引き立てるような働きのギター。「A Country Westernらしさ」を引き継ぎつつも、よりフィジカルな表現を打ち出した名曲。楽曲自体は前曲と同じく短く、1:40ほどで終了。アンビエントな音の裏からノイズがボリュームを上げて迫ってくるインタールードにて終幕する。

 

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Leisure Skills

「レジャーのスキル」。

非営利団体Weathervane Musicにて録音・リリースされた作品。
録音と同時にOpen Sessionと題して、四本のドキュメンタリー・コメンタリー映像が撮影・アップロードされている。
バンドの成り立ちやメンバーについてから始まり、ドラムマシーン、アナログテープを用いたミックスの回が続き、四本目が影響元について。
この記事を書くにあたって、バンドの概要や制作の仕方についての知見を得るのに大いに役立ちました。ありがとう。

実は2ndよりも録音時期が後である。Leisure SkillsをMiner Street Recordingsで録音したのが2023年の9月16-17日、リリースが11月9日*10
対して2ndアルバムLife on the Lawnは2023年の夏に録音されている*11
そう知ると途端にどちらの作品も録音時期の季節感を反映している部分があるものだなあと勝手に得心するのであった。

Open Session: #1/ #2/ #3/ #4

Recommend If You Like: Stereolab, The Smashing Pumpkins (1979), Swirlies, Wheat, villagerrr

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1. Leisure Skills

六拍子で訥々と、歩調を確かめるかの如く進む、清涼感と暖かさのある一曲。ドキュメンタリーを見る限り、DerekとGarrettの二人がボーカルを取っている。ピアノ、クランチーなバッキングギター、ベース、ドラムそのどれもが柔らかな音像。アウトロ付近では電子音(ドキュメンタリーで出てたリズムマシンだろうか?)が奏でられ始め、追い付け追い越せして演奏しているギターとピアノを縫うように等間隔で鳴らされる。
穏やかでとてもいい曲なのだが、ライブで演奏されているのだろうか?音源で色々やってるから、再現とかアレンジの面で難しいのかもしれないが、ぜひとも演奏の様子を見てみたいものである。

 

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Life on the Lawn

2ndフルアルバム。「芝生の上の暮らし」*12

Crafted Soundsからのリリース。
2023年の夏に録音。冗長ではない尺で勢いと爽やかさのある曲を含む10曲。

従来のミニマルな楽曲の形成と、Computer Datingから続いたスロウコア志向は一旦鳴りを潜める。が、DIYな温もりある手触りは健在。楽曲は80/90'sへの憧憬を湛えて、インディ・ローファイ・パワー・アメリカーナロックに接近、否、漸近していく
例えるならば、「DusterやSlintがPavementを演奏したらどうなる?」というIF妄想の結実。

また、歌詞のシニカルさ気楽さが増し、長い歌詞も見受けられるようになったことも特徴。

二人組の宅録ユニットだった時代から、四人組のバンドへと変化したことを声高に宣言するような作品である。

ミックス・マスターは、ACW周辺のフィラデルフィアアーティストを手掛けるIan Norris*13と、Alex Nagel*14による。

Recommend If You Like: Pavement, Wilco, Hotline TNT, Superchunk, Guided by Voices, Gaadge, Ex Pilots, Playland (Smooking Room Rec周辺), villagerrr

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1. Great is the Grip of the Hawk

「鷹の握力こそ最強*15」。時系列で彼らの作品を追っていたなら、度肝を抜かれる一曲目であろう。SuperchunkのHyper Enoughのような、YuckのGet Awayのような、晴れ間が広がるような王道のバッキングリフが火蓋を切ってくる。リードギターのフレーズもコテコテに王道でむしろ気持ちが良い。1分45秒しかない短い曲で、王道風味ながらコンパクトに収めてスッキリと聞かせてくるのはACWの面目躍如といったところだろうか。歌詞も随分と力強く前向きで、「逆境でもやったるで!」ということが歌われている。やったってくれ!

2. Sidewalk

歩道。Pavementリスペクトのタイトル?鈴虫のようなループノイズを引き裂いて前曲から引き続き力強い、しかししっかりとした足腰の、三拍子のイントロが開幕する。1分ほどで前半は終了し、訥々としたドラムとベースが楽曲をよりスロウペースな後半へと導く。歌詞の力強さは前曲を引き継いでおらず、「手を尽くして物事から上手く逃げ隠れたつもり」の前半と、「逃げきれなくなって捨ててはいけないカードまで捨て始める」後半。歌が終わると、もう言葉はいらないとばかりにErikの泣きのギターソロが1分30秒も弾き倒される。万感に溢れた名曲。

3. The Dreamer

夢想家。アメリカーナなバッキングリフで始まり、バースではアコースティックギターが寂しさと自嘲気味な響き湛えて爪弾かれる、カラっとした夏の日のような曲。コーラス前の打ち込みドラム、コーラス中・後のノイズ等ACWらしい手法をところどころに抱きながらも、本質的には王道な楽曲である。「僕は夢見がち。君に言わせれば負け犬。」と繰り返す、居直った明るさのある曲。歌詞中に"spine"が出てくる*16

4. The Spine

背骨。Garrett曲。じわじわとしたノイズの奥から打ち込みのリズムパターン、生音ドラムと柔らかなギターが入り込んでくるローテンポの楽曲。アルバムの初めからThe Dreamerに至るまでの、王道熱血な雰囲気を一旦落ち着かせてくれる(…どころかこれ以降は少し暗めか落ち着いた雰囲気の曲が多くなる)。歌詞自体は前曲The Dreamerの人物の瞑想中の心情を描いたような内容。"Good is the life-ending faith"(善きことは人生が終わるという信仰)という内容は、穏やかな楽曲に見合わず少々過激に響く*17。歌詞中に"dreamer"が出てくる*18

5. How Far (feat. Winter)

バンドWinter*19のボーカル、Samira WinterをボーカルにフィーチャーしたGarrett曲。暗雲立ち込め雷雨になりそうな響きの二本のギターのバッキングが絡む。不穏ながら力強いハードロックはACWとしては新機軸かも。ハイウェイ(USの大きな道路のことで高速道路に限らないようだ)を歩いて移動するところに雨が降ってくる不穏な展開の曲。

6. Ridgeline

「稜線」。寂しいメロディの柔らかいバッキングを追うように高低混じった抑圧された歌が始まる。この盤で最もACWらしい楽曲と言えよう。物悲しい雰囲気、シンプルなアンサンブル、後悔する内容の歌詞。フィルインの少ない削ぎ落されたアレンジで楽曲は淡々と進んでいく。終幕にはErikの泣きのギターフレーズが炸裂。どっしりと支えるバッキングギターとベースの心地よさ・安心感はそのまま、感情を高ぶらせていく。

7. Magnetic

Garrett曲。前曲Ridgelineへの返歌にも思える楽曲。前曲ラストの情感を引き継ぐような、振り絞るようなギターフレーズが形を変えて演奏され続ける。冒頭のリフレインが楽曲の展開を司っており、開始の合図とばかりに滾る間奏からバースに戻る部分が心地よい。バンド全体で一緒くたになってじわじわと盛り上がっていくグルーヴも魅力である。なかなか精神世界を描いたような曖昧な表現の歌詞で、意味を取るのが難しい。

8. For a Voter

Erik曲。厭世的か、シカゴ音響派のようなコードから始まる楽曲。シンプルな構成でさらりと聞き易い楽曲。間奏で弾かれるギターフレーズからはアメリカーナ・カントリーの空気を感じる。歌詞では「利益のため:鋸とナタを使い分ける/ 投票者の心理を模倣する」「あなたの価値はコイン(資本)が規定する」と例示した後に「欲深い状態を通常にするな」とピシャリと批判する、資本主義に一家言ありそうな内容。

9. Hiding Out

Erik曲。ノイジーなアコギの爪弾くイントロがスローダウンされ、音が落ち着いてから始まる、箸休め・インタールード的な表情の楽曲。過去作の雰囲気を湛える(DriveとGoing Homeを想起する)。子供時代のトラウマを思い起こすような内容の歌詞。「どれぐらいが『長かったか』なんて、時間がそのうち教えてくれる。」という再帰的な一文が印象的。

10. Wasting the Weekends

穏やかな最終曲。正統派のミドルテンポチューン。跳ねたキックのドラムに合わせてカントリー調の丸い音のアコギがきらびやかにリフを演奏する。歌っている内容は単純に「週末何もしなかった。神よ、私の罪をお赦しください…。」というもの。もはや大げさではあるが、そんな内容がすばらしい4分の楽曲になっているのだから面白いものである。一つの歌のメロディが、ギターソロのある間奏と、二音のアルペジオのアウトロの前で歌われる。シンプルな二音のアウトロリフは、がっしりとリズムを保ちながらも、共に盛り上がるドラムと終幕へ進む。

 

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Four-Team Dream Machine

かつての手法に則って制作された、ミニマルでシニカルでヘビーな音像を聴ける両A面シングル。Winterのツアー帯同に先駆けてリリースされたそう*20

新機軸の2ndアルバムを経たのちに出てくるシングルが、改めてのミニマルDIYスロウコア。1st以前の制作手法に則ったものになっている理由は、1曲目のCloudsが2021年に録音された作品だからである*21

CloudsはGarrett、GGはDerekによる楽曲で、それぞれ各楽器をマルチに演奏して録音されている。
2021年~2025年と4年の開きはあるものの、「別の時期の作品」とはパッと聴いて分からない程度には雰囲気に違和感が少ない。

ジャケットを飾る謎の鉄の箱とスライド映像は、Garrettが自身のInstagramに挙げているオブジェクトである。これは一体なんなのだろうか…。

Recommend If You Like: Deadharrie, The Long Lost, Povlo
Stereogumは、CloudsはHovvdy、GGはPavementに近い、と述べている*22

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1. Clouds

Garrettソロ曲、2021年の作品。雲(Clouds)といっても重圧感のある雨雲のような雰囲気の楽曲。小気味よいタンバリンの八分、耳当たり良いアコギと相反する、重厚な低音のドラムセット、ギター、ベース。全編で流れる、金属音のような、チェンバロのような怪しく響く倍音の三音が不穏さを演出する。birdfeederのアウトテイク楽曲だろうか?「雲の声が聞こえる、聴こえないからカーステの音量を下げてくれ。」という、自然派と言えば聞こえはいいが、正直言って偏執的な内容の歌詞であり、奇妙な童謡の読後感あり。

2. GG

Derekソロ曲。こちらの方が新しい。太く低く歪んだギターの低音弦だろうか、こちらも重厚な雰囲気をはじめから醸し出しつつ開始。エスニックな響きのギターが入って来てから打ち込みのドラムがリズムを刻み始める。楽曲が展開する部分では大きくバスドラムが四つ鳴らされるのだが、次第に心地よさを帯びてくる。Youで歌ってはいるが、踏ん切りのつかない自分を叱責する内容の歌詞だろうか。なかなか厳しい批判の言葉が歌われている。

 

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未発表曲

音源化されていないもののライブでは演奏されている楽曲。いくつかはYouTubeにて視聴可能。
下部のライブ映像にて下記楽曲の半数以上が演奏されているので、要チェック。(Phenom収録のSic Shooterも演奏されているぞ!)

 

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No Alcohol

2ndの録音前後から存在・演奏されている楽曲。ドンズバで80/90'sローファイリスペクト!でスラッカーな一曲。PavementのCut Your Hairを想起する。2ndの前半曲の雰囲気を更にブーストさせたような立ち位置なのかもしれない。2分程度で終わる、コンパクトなのも嬉しい。ACWの楽曲は大体そうだけども。

Halo Mode

後光状態?もしくはカメラの用語とか?*23遮光カーテンから光が差し込んでくる映像が浮かんでくるような楽曲。バッキングギターが刻む八分の上で、偶数小節でドラムとリードギターがほとばしる。歌のメロディは同じものの高低。Sonix Youth, Pixies, Blonde Readheadの女性コーラスのメロディがオーバーラップしてくるフレーズを繰り返すミニマルなもの。

Runners on the Mark

「位置について」。極々淡泊な、タムを織り交ぜたドラムのフレーズが延々と続く楽曲。鬱々としたコードを全員で弾く中で、Erikのギターが曇り空を割るように飛び込んでくる。ParisのベースとGarrettのドラムだけが残り、Derekの歌が「何が怖いの?」と歌い出す*24。一筋縄では発散しないACWの神髄の詰まった楽曲。

Not Far Enough

穏やかなリズムの楽曲。"Nobody knows"で終わるラインが繰り返されるバースでは、衛星軌道を流れるような、輪郭をなぞるようなリードギターが演奏される。コーラスではDerekの歌メロディにErikのギターが寄り添う。暑い夏、夕暮れを思わせる、短いながらも満足度の高い展開の曲。ローファイ意識なのだろうか。

45 Degrees

見つからない!聴きたい!

見つかりました
静かな歌のパートが終わると轟音のパートに突入するカタルシスあるスロウコア。

Pulling All My Stops

見つからない!聴きたい!

「全力を尽くす」というイディオムみたい?Pulling out all my stops.

 

www.youtube.com

www.youtube.com

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*1:BLIGATORY。インディ音楽ブログ。インディアーティストへのインタビューや、点数レビューが行われていたりして興味深い。www.bligatory.com

*2:Hard Boiled Egg PunkのInstagramアルバムの短い評付き。Computer Datingが好きな人にオススメなのは、本人たちなんだから当たり前だろ!間違ったことは言ってないけどね。

*3:散弾銃の銃弾の種類。大型狩猟用。

*4:Bandcampの記載および、DerekのFacebookの文章より。「Garrettと二人で一年半ほどアルバム制作に打ち込んでいました。9月10日にcooked raw labelよりリリースされます。タイトルは"birdfeeder"。Matt Miadesに捧げます。思うに、彼ならば僕たちの数年間の努力を讃えてくれるでしょう。」www.facebook.com

*5:Matt Miadesは2021年の初めに亡くなった。DerekとGarrettにとっては、大切な音楽を教えてくれた"クソ野郎"であった。「良い音楽」について熱意と一家言を持ち、それを子どもたちに共有することをいとわなかったとのこと。現在の彼らのフェイバリットの一端はMattのおかげで知れた音楽である。「いつも楽曲制作の初めには父親からのフィードバックを貰っていた。今彼はもういない。今の僕らは『父親が良いと思う音楽を作る』際限ない挑戦をしている。」というのはGarrettの弁。- YouTube

*6:フィラデルフィアの薬物使用障害のある人々への支援を行う団体。Savage Sisters Recovery – Non-Profit

*7:キャンドル・ピンとジュリアズ・ウォーによるコンピ。豪華な布陣。feeble little horseのマイブラカバーなども聞ける。

candlepinrecords.bandcamp.com

*8:TAGABOWの新作レビューの文脈でだけどね。

stereogum.com

*9:彼はSoluvent OSという電子音趣向のソロプロジェクトを行っている。

solventos.bandcamp.com

*10:Leisure Skills: 楽曲詳細にて記述あり。

wvmusic.bandcamp.com

*11:Life on the Lawn: こちらも全体の楽曲詳細にて録音時期が記載されている。

acountrywestern.bandcamp.com

*12:アメリカでは芝生にこだわりを持つ人は多いように思うが、そういった現実を踏まえた含みのあるタイトルなのだろうか?「普通の生活」みたいな。Redditで投げてみよっと。

*13:Ian Norrisのホームページ。Her New Knifeとかfibとか、フィラデルフィアの音楽シーンで聞く名前の作品もちらほら。The web site of beautifulmusic

*14:Alex Nagelのサウンドクラウドの楽曲を聴く限り、Life on the Lawnのアメリカーナ志向の音像は彼の影響によるところが大きかったのではないだろうか?

soundcloud.com

*15:USの国鳥は鷹だが、何かそういった慣用句とか、含みがあるんですかね?

*16:「記憶を二回無くした」とも歌っているけど、本当かな?私も記憶を二回無くしているので、親近感が湧きます。

*17:この表現は慣用句ではないようだ。
記憶を失った(離人した)あとの僕も似たような信仰を持っている。いずれ私は死ぬ。死んだら干渉できるものが非常に少なくなるのでむしろありがたいな、と思っている。責任の破棄。じゃなきゃこんなブログも文字にしませんがな。死んじゃった後の状況を想像すれば動けない時も動けることが多いのだ。ブッコめ!犯罪以外でな!

*18:これに限らず、DerekとGarrettの間では返歌のような作曲が行われているようにも思う(On Edge<->Slugshotとか)。このThe DreamerとThe Spineはかなり明確に打ち出されている気もする。

*19:ACWはWinterの来日の際にも帯同していたみたい?仲が良いみたいです。ACWに会いに行きゃ良かったな。

*20:

ourculturemag.com

*21:A Country Western Share New Songs 'Clouds' and 'GG' - Our Culture

*22:

stereogum.com

*23:Haloと聞くと同郷の22° Haloを想起する…多分関係ないけど。

*24:What do you fear about? Like a light switch off (to made for?) With the pass on high in the black in the sky. という歌詞に聞こえた。

*25:ブログを書こうという時にはペンで文字を書こうと思う時でもある。というのも万年筆を使いたいから…。供養として構想段階の写真を貼っておく。

A Country Western ブラウン運動する音楽

A Country Western 西欧のある国 ACW
匿名性の高いバンド名で活動している、アメリカ合衆国はペンシルベニア州・フィラデルフィアの四人組。(Country Westernsというバンドもいるが、それとは違う*1。)
フィラデルフィアはAlex GやAlgernon Cadwallader*2の出身地であるだけでなく、現在They Are Gutting a Body of Water (TAGABOW)を筆頭に結束力の強い音楽シーンを形成している、盛り上がりを見せている地域であることは音楽に詳しい諸兄であれば私よりも熟知していることと思う。
今回は、そんなフィラデルフィアで活動していながらも日本からの言及が少ない、A Country Westernというバンドについて迫っていこう*3
ACWは前述の、退廃・享楽・蠱惑的な轟音を共通項とするフィラデルフィアシーンと近しいところにいながらにして、その音像は比較的"オーガニック"に聞こえる。TAGABOWよりも22° Halo*4やPlayland*5の方が近しいような…。かと言えば、オーガニック過ぎもしない。「オルタナティブ・ロックの諸ジャンルの交差路にいる」に類する表現*6を各所からなされるような音楽。

一通り作品を耳にした方ならば同意していただけるだろうが、正直に言ってしまうと、彼らの音楽には掴みどころが少ない。歌う箇所は少ない傾向にあり、メロディもポップ・キャッチーというよりは、淡泊で抑圧的。
宅録デュオに近い初期作ほどミニマルな構成である上に、彼らの作品はジャンル不定形だ。ミニマルDIYスロウコアに耳が慣れたと思いきや、次の作品はインディロックだった!と大いに混乱してしまう状況も起こり得る。
故に、彼らの作品すべてをひっくるめて一言で表現することは非常に難しい。

そんな、変化の止まない、飄々とした表現者四人組、A Country Westernについて、彼らの音楽・作品に触れる・触れ始める際の一助となれば幸いである。というか、みんな、聞いてくれって。

 

 

A Country Westernとは?

バンド概要

概要

A Country Westernはアメリカ合衆国はペンシルベニア州・フィラデルフィアで活動をしている四人組ロックバンド/ コレクティヴ。
2017年、ボーカル・ギターのDerek HengemihleとドラムのGarrett Miadesの二人で結成。元をたどれば、7th/8th Grade(中学2年ぐらい、14歳ぐらい)の頃から二人で音楽制作はしていたそう。基盤となる活動で考えればもっと長い経歴があるはず。
2021年、1stアルバムの制作のため、またライブ活動のためにギタリストErik HilbertとベーシストParis Parkerが加入。
2026年までに、2枚のEP、2枚のアルバムと諸々のシングルやスプリット盤を出している。その音楽性はスロウコア・オルタナティブ・シューゲイザー・アンビエント・ローファイ・インディ・スラッカー・パワー・アメリカーナロックを横断し、多岐にわたっている。
2026年6月18日には、Horse Jumper of Loveのツアーのフィラデルフィア公演でライブ予定(W/ Ruth In The Bardo*7 )。

たぶん、メンバー全員鳥が好き。

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略歴
  • 2017年:
    DerekとGarrettがA Country Westernを結成。
    同年、ギタリスト・ベーシストのJack Morganの誘いによってComputer Datingを結成。
  • 2018年:
    12月20日 EP "Phenom" 自主リリース。
  • 2019年:
    Computer Dating解散*8

  • 2020年:
    5月29日 セルフタイトルEP、"A Country Western" cooked raw labelよりリリース。
  • 2021年:
    4月3日 "Going Home" リリース。
    8月27日 "You Only Sold Me" リリース。
    9月3日 "Forgiver" リリース。
    9月10日 1stフルアルバム "birdfeeder" cooked raw labelよりリリース。
  • 2022年:
    4月29日 "When was Yesterday" リリース。
    9月14日 "An Insult to the Sport" (They Are Gutting a Body of Water=TAGABOWとのスプリット盤) Topshelf Recordsよりリリース。
  • 2023年:
    11月9日 "Leisure Skills" Weathervane Musicよりリリース。
  • 2024年:
    3月29日 2ndフルアルバム "Life on the Lawn" Crafted Soundsよりリリース。
  • 2025年:
    9月22日 "Four-Team Dream Machine" Crafted Soundsよりリリース。

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メンバー概要

Derek Hengemihle

ギター・ボーカル。多くの楽曲の歌唱を担当。マルチ演奏者。メインコンポーザーの一人。大体キャップを被っている。

Garrettの父親Mattから様々な音楽を学び、14歳ごろから二人で地下に籠り楽曲づくりを始める。Mattから教わった中でもフェイバリットはStereo Lab, Slint, Phillip Glass, Pavement etc...とのこと*9

2017-2019の期間はComputer Dating*10で活動していた。

制作する楽曲は歌詞が短い傾向にある。(あった)

 

Garrett Miades

ドラム及びボーカル。マルチ演奏者。メインコンポーザーの一人。

Derekと同じく父親Mattから様々な音楽を学び、Derekと共に音楽を始める。

2017-2019の期間はComputer Datingで活動。

自身が制作した楽曲音源ではボーカルを取るものの、ライブでは歌わない。手がける楽曲はアコースティック、ゆったりとしたテンポを持つものが多い。

50 Walks*11と題した、フィラデルフィアでの散歩中に見つけた収集物の写真をまとめた本を発行している。
野鳥観察同好会及び行政に野鳥の保護を推奨する連盟、Liberty Bird Allianceに所属している。
等々、自然派な人物に見受けられる。作詞からもそれは感ぜられるだろう。

 

Erik Hilbert

ギター。楽曲によってはボーカルを取る。コーラスもする。ベースを弾くこともある。マルチ演奏者。

2021年頃からバンドに参加。初めはミックス・マスタリングの手伝いと楽曲の持ち込みから始まったようだ。

自作楽曲であれば歌うほかに、初期作品でメインボーカルを取ることもある。(Six ShooterやSlugshotなど)。

Double Suede*12というサイケデリックロックのバンド及びソロプロジェクトPiper's Bellflower*13でも活動。

DerekとGarrettとは旧知の仲らしく、Garrett曰くErikは「全く飽きずに音楽を作り続けている*14。」という。その評価の通り、前述のように複数のプロジェクトで沢山の楽曲制作をしている多彩な人物である。

 

Paris Parker

ベース。楽曲によってはギター。ボーカルを取る曲は一曲だけ、"Keeping up with the Joneses"。ニットやバンダナを被っていることが多い。

2021年よりライブでの演奏のためにバンドに参加。ドレクセル大学にてDerekと出会った。

Solvent OS*15というエレクトロニック・エクスペリメンタルミュージックのプロジェクトでも活動している。

Solvent OSの没ネタ等はACWで活かされることが多いらしい。例えばTAGABOWとのスプリットで、ACWサイドの開始曲となるLungの制作にはParisの八面六臂の活躍があっただろうことは想像に難くない。

 

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作品と概要

形態を問わなければ現在8作品がリリースされている、ACW。各作品の特色を以下に短くまとめたので、触れ易そうだと思えた作品からでいいので聴き始めて見てほしい。

各作品の詳細な概要と所感については別記事にてまとめました。
ご興味があればぜひ一読お願いします。

dgedarack.hatenablog.com

Phenom

宅録作品的5曲入り。
DIY故の温もりをほの暗く輪郭の揺らいだ音像と乾いたギターから感ぜられる。

Recommend If You Like: Duster, Kitchen, Alex G, Deadharrie

A Country Western

コロナ禍ロックダウン中に制作された7曲入り。
どこか焦燥感のある楽曲・曲間・歌詞だがさらりと通して聴けてしまう16分間。

Recommend If You Like: Duster, Alex G, All Structures Allign, Elvis Depressedly

birdfeeder

大切な人との離別を受け入れようともがくさまが記録されている1stフルアルバム。
長く、深く潜水するような重苦しい雰囲気で、最もダークな11曲。
タイトルの着想には鳥に囲まれ暮らしてきた彼らの生活環境があるようだ*16

Recommend If You Like: Horse Jumper of Love, Fraternal Twin, Deadharrie (初期、宅録時期の), Mormon Toasterhead, Shelf Life

When Was Yesterday

NPO団体支援コンピレーション提供楽曲。
目まぐるしいリズムの上で童謡めいた歌が流れる、不穏さと親近感が同居する、エルサゲート・フォーク的作品。

Recommend If You Like: Horse Jumper of Love, Fraternal Twin, Deadharrie, Kitchen, The Long Lost

An Insult to the Sport

同郷バンドTAGABOWとのスプリット。
Phillygazerシーンとの共鳴を示しつつ、異なるジャンルの三曲を収録。
新機軸を模索するACWの過渡期を記録した重要な一枚。

Recommend If You Like: full body 2, Pavement, Guided by Voices

Leisure Skills

 NPO Weathervane Open Sessionにて制作された作品。
六拍子で訥々と、歩調を確かめるかの如く進む、清涼感と暖かさのある一曲。
録音風景とインタビューのドキュメンタリー四本も撮影されている。

Open Session: #1/ #2/ #3/ #4

Recommend If You Like: Stereolab, The Smashing Pumpkins (1979), Swirlies, Wheat, villagerrr

Life on the Lawn

80/90'sへの憧憬に満ちた、明るく前向きな楽曲も並ぶ2ndフルアルバム。
トレードマークたる"ミニマルスロウコア"路線は少し鳴りを潜める。
新境地を朗々と披露しつつも彼ららしいDIY感は健在。
最新のライブパフォーマンスに最も近い演奏を視聴できる、10曲30分。

Recommend If You Like: Pavement, Wilco, Hotline TNT, Superchunk, Guided by Voices, Gaadge, Ex Pilots, Playland (Smooking Room Rec周辺), villagerrr

Four-Team Dream Machine

かつての手法に則って制作された、ミニマルでヘビーな音像を聴ける両A面シングル。
新機軸の2ndアルバムを経たのちに、以前の音像に再挑戦する飄々とした頓着の無さ。
私はここに、自由自在な音楽コレクティヴとしてACWの魅力を感じる。

Recommend If You Like: Deadharrie, The Long Lost, Povlo

 

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*1:ナッシュビルのバンド。偉大なる過去のパンク・クラシックへのリスペクトある音楽を奏でている。バンドのドラマーは、後期Silver Jewsにも在籍していたBrian Kotzur。

countrywesterns.bandcamp.com

*2:Algernon Cadwalader、実際には、フィラデルフィア北方のYardleyという町出身らしいけど

*3:A Country Westernについて言及する人をTwitterで見かけて嬉しかったのである。水中走行というバンドのisouさん。水中走行も非常にかっこいい。1/8計画の面々に教えてもらった記憶がある。そのバンドのメンバーと、ACWを通して繋がるとは思いもしなかった。

フィラデルフィアDIYシーンとの共鳴を感じる。ACWがもし来日するならば、迎え撃ってもらいたいものだ。

www.youtube.com

*4:22° Halo、トゥエンティートゥディグリーヘイロー。
フィラデルフィアのローファイ・インディポップ。Will Kennedyによるソロプロジェクト。削ぎ落して剥き出しの密度で演奏されるグルーヴを全身全聴覚で味わうことのできるすばらしいバンド。DusterにSentridohを混ぜたような…。

22halo.bandcamp.com22° HaloでドラムをプレイしているFrancis LyonsはYlayali名義で自分のソロ作品も出している。

ylayali.bandcamp.com


双方の相関を考えるのも面白い(Ylayali "Circle Change" (2022)<->22° Halo "Orioles at Dusk"のリズムとか)

*5:Playland。Hoopsの主催だったDrew Auschermanによるソロプロジェクト。Smoking Room所属。Sharp Pinsと共鳴しそうなストレートなロック・ポップ。耳懐っこいメロディが光る。

smokingroom-label.bandcamp.com

*6:Last.fmでも、レーベルCrafted Soundsからも。
"A Country Western combines a blurry blend of slowcore and ambient rock."
「A Country Westernはスロウコアとアンビエントロックをぼんやりと混ぜ合わせた音楽だ。」
- Last.fm

"A Country Western finds themselves in the knotty crossroads of slowcore and shoegaze in Philadelphia, PA."
「A Country Westernはフィラデルフィアシーンにおいてスロウコアとシューゲイザーの複雑な岐路にあるバンドだ。」
-Crafted Sounds

*7:Object Records>Julia's War。2025年からTAGABOW主催のJulia's Warに所属。Object時代はアコースティック・SSW・スロウコア気味な雰囲気があったものの、Julia's Warに入ってからは感情を爆発させるような音楽に急接近している。最新シングル Shiver Nowはサステインの無いスネアが眼前に張り付いているような迫力ある音像。清涼で勢いのある演奏の中に、急に歌い出しで絶叫するボーカルが繰り返される不穏さも湛えた一曲。Object時代の作品、特に2ndArs Poeticaと聞き比べると面白いかも。

ruthinthebardo.bandcamp.com

*8:首謀者Jack Morganとの離別とのこと。Philth Mediaの画像文より

Instagram

*9:Weathervane Open Sessionの中で言及されている。

www.youtube.com

*10:DerekとGarrettとJackが2019年まで行っていたComputer Dating。スロウコア・ローファイな音像。9. Two Dead Presidentsが特に気に入っている。国内外でも知名度があるようで、この最終盤のサポーターを見るとカルト3の疎帯さんがいる。曙橋さんもComputer Datingについては知っていた。私は知りませんでした…。

computerdating.bandcamp.com

この流れで疎帯さんのバンドカルト3も紹介。必聴。versionという曲が大好きだ。

cultthree.bandcamp.com

こっちは曙橋さんのブログ。必見。いろいろな音楽やライブのレポート等が確かな知識に根差した筆致で綴られている。

kusodekaihug2.hatenablog.com

*11:50 walks 収集物の写真と記録が見れます。

*12:ErikのバンドDouble Suede最新盤Some Acient Sun。グルーヴの落ち着いたサイケ。

doublesuede.bandcamp.com

*13:ErikのソロプロジェクトPiper's Bellflower2024年のアルバム。フォーク・アメリカーナの心地いい作品。2. If It Leaves You DryはACWのセルフタイトルにも収録されていそうな枯れたスロウコア。初期作にはサイケな楽曲もある。

pipersbellflower.bandcamp.com

*14:"His capacity to be bored is too small. He's constantly making music." 結構面白い言い回しだと思う。

www.youtube.com

*15:Parisのソロプロジェクト。ブレイクビーツあり、ウィッチハウスあり、混乱したダークな作風で、フィラデルフィアTAGABOW周辺に非常に近いものを感じる。ACWらしい楽曲(いなたいスロウコア)に近いのは11. Jud's Songあたりか。

solventos.bandcamp.com

*16:BLIGATORYによるインタビューより。
ロックダウン中、誰にも会えない中多くの時間を外に出て過ごしたんだ。キャンプに行ったり鳥の本を手に入れたり。きっかけはそういう、自然や生き物に対する強い関心でした。長い時間ののちに"birdfeeder(餌台)"という単語を選んだ。響きが良かったし、僕らの生まれたオーデュボンという町には鳥の名前の付いた通りばかりなんだ。野鳥保護区もあるんだよ。

www.bligatory.com

余白はあるか (computer fight> a tension> NINGEN VIVES)

先日1月30日、青山月見ル君想フにてcomputer fightのライブを見た。広い、満月を背にしたステージでどっしりと構えたプレイ。ドラムナガオカ氏の新たに提示してくる、ゴスペルチョップ的フィルインやハーフタイムなアクセントでバンド全体の危うい勢いがドライヴされており、大いに破顔。ボーカル畠山氏の、背景の月に手を掲げて影を落としたり、不意にステージを強く踏み鳴らすなどといった所作もとても良く、観に行ってよかったと思わせてくれるライブでした。
まだ音源化されていない楽曲もセットリストに多く、今後の動向からも目が離せないと再認。後半にMO'SOME TONEBENDERのペチカを思わせる、切ないアルペジオのバラード調の曲があって、他の曲との緩急もあり、とても沁みました。

f:id:dgedarack:20260204142114j:image
f:id:dgedarack:20260204142118j:image

 

会場で新EP『 a tension*1』を購入した。6曲入り、後半の3曲はサブスクリプションサービスで、もしくはMVが上がっていて映像を見ながら聞ける。CDのみで聞ける前半の3曲はそれぞれ1分30秒、1分21秒、1分と短いながらも、明確な色と主張が、演奏から歌詞から聴いて取れる。前半3曲のみならず、全体6曲とも疎外感、鬱屈や諦念を湛えつつ滲ませつつ、決してフラついていないまっすぐな視座がある。

そんな新EPの中でも、演奏と歌詞の内容から特に、1曲目のNINGEN VIVES*2を曲を気に入った。かき鳴らされるギターから全楽器なだれ込んで爆発するバンドサウンド。一旦全体が落ち着いて歌が入って来てから爪弾かれる切迫したギターリフのメロディ。語るように歌われる鋭利な歌詞。ライブ演奏の臨場感が見事にパッケージングされている*3
同バンドのハンチバック*4という曲が好きだ。NINGEN VIVESには、ハンチバックの語り口や視点を、改めて自分自身(この場合は作詞の千川さんだろう)の身上で運用したような発展性がある。そこで提示されている内容、それに大いに感銘を受けているし、だからこそこの曲を気に入ったのであった。
楽曲ハンチバックの歌詞は、タイトル引用元の小説『ハンチバック』(市川沙央・著)の内容に沿っていると読める。本の内容もしくは"本を透かして"世界を見た上で紡がれる内容。対してNINGEN VIVESは、「本を通した目線」ではない。「本が提示する視点を自分の脳で運用した場合の内容」。

楽曲では、「僕の病気がもしも治ったら/ 僕は僕じゃなくなる」と歌われている。自分の、切り離せない病や特性であっても、自分を構成する要素である、と受容(諦念をはらむ受容)しているのは、楽曲・小説のハンチバックとも意見を同じにするところであろう。幾分センセーショナルで共感が難しめな病を主軸に据えた両ハンチバックと比べて、より普遍的に伝わる、しかしメインストリームとは袂を分かつ、強烈なパンチラインだ。

 

続く「王国がやってくる」「やめる」共々素晴らしい楽曲。歌詞と歌を聴き比べて、畠山氏によって歌い足されたちょっとした部分に気づいたりするのも楽しい。

computer fightのEP『a tension』を、購入してCDプレイヤーのトレイに入れ、回して、聴くのが良い。

 

以下はNINGEN VIVESを聴いた上での考えを書く。

*1:ライブ会場、computer fight STORES、もしくはこちらのポストに書かれたショップで購入可能

*2:こちらは2025年5月11日、西荻窪FLATで演奏された時の当該楽曲。リズム隊が2名とも前任者でCD音源と雰囲気が違う。

NINGEN VIBES

NINGEN VIBES

  • provided courtesy of iTunes

music.apple.com

*3:小野島大さんのインタビュー記事を読む限り、このEPはツバメスタジオで一発撮りなんですね。納得。

*4:

ハンチバック

ハンチバック

  • computer fight
  • ロック
  • ¥153
  • provided courtesy of iTunes

music.apple.com

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self-evident 2025年 来日公演に寄せ(させ)て(くれ)

何と!信じがたいことに!self-evidentの来日公演が決まった!!
SAY HELLO TO NEVER RECORDINGSさん、elephantさん、ありがとう。

予約解禁の8月8日までに、self-evidentの音楽に触れて欲しい。
そして少しでも見逃してしまう人が少なくなればいいな。
それ以降に読んだ場合は?self-evidentを知るきっかけになるじゃん。いいね!👍

以下の内容を参考に聞いてみてください。
好みだったら是非に、近隣の公演に体験しに行って欲しい。

概要

self-evidentって?

セルフエビデント
アメリカはミネソタ州ミネアポリス出身のスリーピースロックバンド。
doubleplusgood Recording所属。
レーベルメイトにはTraindodge, Hauted Heads, Hardcore Crayonsなど。
ミネアポリスに根付いた活動をしながら、現在7枚のアルバムと2枚のEP、2枚のコンピレーションアルバムをリリースしている。

メンバー・略歴

メンバー

self-evidentは、1997年、USミネアポリスにてTom Berg (Ba), Conrad Mach (Gt/ Vo), Brian Heitzman (Dr)によって結成。
アルバム3枚、EP1枚をリリース後、新たなドラマーとしてBen Johnstonが加入(2006~2007)。
2025年4月、結成メンバーのTomが逝去。
Tomの逝去を受け、5月にDante Kesterと活動することがFacebookにて明かされている(後述)。

以下、便宜的に、Brian Heitzman脱退(3rd Al)までを第一期、Ben Johnston加入以降を第二期と呼称する。

略歴

1999年、The Arrogance Of Common Professionals リリース
 自主製作。表題曲以外は1stで聞ける楽曲*1が収録されていたようだ。
2000年、1stアルバム What We Sound Like リリース
2001年、1st EP Direct EP リリース
2003年、2ndアルバム Angular リリース
2005年、3rdアルバム Epistemology リリース
 初期ドラマーBrian Heitzmanの最終参加作である
2007年、4thアルバム self-evident リリース
 Ben Johnston初参加作品
2008年、2nd EP Billions EP リリース
 4thアルバム録音時のアウトテイク集
2009年、5thアルバム endings リリース
2012年7月15日、名古屋のレコードショップStiffSlack主催のイベントで新代田FEVERにて初来日公演。14,15の二日間の二日目。
2012年8月、6thアルバム We Built a Fortress on Short Notice リリース
2015年、アルバム The Traveler リリース
 新規録音・カバーの4曲と過去の未発表曲4曲をまとめたコンピレーションアルバム
2019年、7thアルバム Lost Inside The Machinery リリース
2021年、アルバム Rarities リリース
 2009年~2012年(5th, 6th )のレコーディング時のアウトテイク集。
2025年4月9日、Tom Bergが逝去*2
2025年5月26日、バンドのFacebookページにて、Dante Kesterがベーシストとして参加する内容が投稿される。
2025年10月、山口県のスリーピース、elephantとのスプリット盤のリリース及び4日間5回の公演を敢行予定

音楽

バンドの音楽性

バンドメンバー自らが標榜するのは、"メロディック・ハードコア"、"メロディック・マスロック/ポストロック"*3
その他、プログレッシブ、エクスペリメンタル、パンクの要素も見受けられる。
さまざまなジャンルを通過し、それらが綯い交ぜとなった、独自性・唯一性の高いバンドサウンドが特徴。荒涼。

特に初期の作品からは、Shudder To Think, Shiner*4, Castor, The Dismemberment Planといった、ポストハードコアバンドからの影響も見て取れる。複雑怪奇なギターフレーズ、一部楽曲のベースラインにはプログレッシブロックのにおいが強く伺える。加えてレーベルメイトであるTraindodgeの音楽性とも共鳴する部分があり、doubleplusgoodへの移籍がそれ以降の作品にもたらした影響は大きい。

削ぎ落され硬質な反復するギター・ベースのリフ、足腰のしっかりとした、一点突破的ドラムフレーズを基調としながら、変拍子ポリリズムに乗って楽曲を奏でていく。かと思えばそれ一辺倒ではなく、時には美麗な・情感たっぷりなアルペジオや歌い上げるようなベースフレーズなどが差し込まれる。不穏さ-情緒感、緊張-弛緩、緩急のあるカタルシス、相反する二つの要素を抱え込んで、不意に滲み出すのは情感を湛えたメロディアスな展開。この二面性が魅力と言えよう。

硬質リフレインが反復される中で次第に情感を帯びていく様は、まさに"雨垂れ石を穿つ"の体現。
バンドの持ち合わせている二面性は、"動と静"とか"怒りと諦観"とも言い換えられる。

StiffSlack曰く、

透明で硬質な物体がグニャリと捻じ曲がるような独自のアンサンブル

視聴していると荒涼なイメージを受け取りつつも、"青すぎて吸い込まれそうな空(=美麗と表裏一体の畏怖)"の情景も浮かぶ(ShinerのLula Divinia、The Dismemberment PlanのChangeのジャケットとオーバーラップしている)。
強固な体幹でリズムを保つドラムの上で複雑怪奇なギターフレーズを奏でつつメロディアスに歌い上げる様は"仁王立ちしたFARAQUET"とでも呼称すれば、多少なりとも想像し易くなるだろうか?

こんな音楽が好きな人にオススメ:  Castor/ Climb The Mind/ Cursive/ The Dismemberment Plan/ Faraquet/ Jawbox/ The Jesus Lizzard/ Make Believe/ Massacre/ pagtas/ People In The Box/ Shiner/ Shudder To Think/ Traindodge/

Conrad Mach

ギター・ボーカル。

Massacre~Faraquetまで、幅広い雰囲気を感じさせるギター。「メロディアス」を標榜するだけはあり、歌心のあるフレーズや美麗なアルペジオで楽曲を彩ることもしばしば。かと思えば全編同じコードを弾いているだけの曲があったり、実験的な演奏もあり。

歌声は胸を張ったような通りの良い響きで、吐き捨てるような歌唱。怒りを帯びたような雰囲気がある。ファルセットは(ほとんど)せず、艶のあるシャウトを行う。少しTravis Morrisonを想起する歌い方。

Tom Berg

演奏

ベース・コーラス。

アルペジオの補強的フレーズから飛び道具的な演奏まで、更にはメロディを弾いて楽曲を先導することも少なくない、存在感のある音色と演奏。ギターリフとのユニゾンフレーズを弾くこともしばしば。一部楽曲ではプログレバンドと聞き紛うフレーズをバチバチに弾き倒す。

Conradとの歌のハモりではShinerやShudder To Thinkを思わせる、ジリついた美麗な響きを楽曲にもたらしている。

人物

self-evidentのほかにも、Zebulon Pikeというインストドゥームメタルバンドにも所属。
Tomは地元ミネアポリスのビール醸造所、Falling Knifeの共同経営者の顔も持っていた。醸造所は受賞歴もあり、「ミネアポリスで最も評判のビール」として親しまれていたようだ。
工場の敷地内でself-evidentやレーベルメイトとライブも行っていた。
2022年10月8日の一連のライブの録画も、見れます。名演。

Brian Heitzman

演奏

初代ドラマー。ハードコア、パンク由来なのか、やけに甲高い響きの太鼓が印象的。カンカンに張られたヘッドの存在感あるスネアで、難解なリズムの楽曲に足の踏み場を作っていく。やけに抜けの良い(恐らく)小口径のタム類は、硬派な楽曲の中にあってコミカルな印象をもたらす。

Ben Johnston

演奏について

二代目、現行ドラマー。前任Brianと対照的な、暗めの音色のドラムセット。難解なリズムを最小公約数的な打数のフレーズで安定させている屋台骨。性質上、空白をも包括したリズムを生み出し、self-evident独自の雰囲気の醸造に寄与している。ライブ映像での演奏の様子はドラム経験者なら度肝抜かれること間違いなし。

人物

アルバムのデザインに関わっていたり、ブッキングも彼のアドレスだったり、バンドへの貢献が多く見て取れる*5

self-evidentのほかにも、ポストハードコアバンド Claire de Lune(解散), サイケデリックフォークロックバンド Lovely Darkにも所属。
Benはドラム講師としての顔も持つ。書籍も出しているようだ。
ホームページはこちら。Drum ChartsからBenが譜面に起こしたアーティストのスコアを落とせたりする。

Dante Kester

人物

Sounds Like Braille*6, Cheer-Accidents*7, The Gillespie Killingsに所属(経験)のあるベーシスト。プログレバンドに多数参加している。2025年8月のライブからself-evidentで演奏するようだ。今回の来日公演に参加するのも彼だろうか。
Tomの逝去はもちろん悲しいが、それはそれとしてTomとの差異も楽しみたいものです。

各作品所感

※4th以降の聴き込みが甘いので4th以降は暫定とします
適宜更新!

What We Sound Like

2000年リリース、1stアルバム。Doom Nibbler Records*8より。サブスクリプションサービスでは配信されていません。

Shiner等、影響元の雰囲気を感じさせる音像ながら、変拍子を用いた楽曲の独自性はこの頃から健在。今では珍しい音色のギターとベースの音色、明るい雰囲気の楽曲も聞ける。バリエーションに富んだ、カラフルでキャッチーなメロディック・エクスペリメンタル/ハードコア的作品。*9

オススメ楽曲: Trained to Walk Fixed Steps(4), Infernus(9)

Recommend if you like: Castor/ Massacre/ Shiner/ Shudder To Think

Direct EP

2001年リリース、1st EP。Blue Worm Recordsより。サブスクで聞ける最古作。

ハードコアに接近した一枚。やけにしわがれたConradの歌声の叫ぶシャウトが切迫した雰囲気を醸し出している。self-evident的な荒涼さ、硬質さの発露を感ぜられる6曲。

オススメ楽曲: Lost Cause(4), Siñata(6)

Recommend if you like: Faraquet/ Shiner/ Shudder To Think

Angular 

2003年リリース、2ndアルバム。Blue Worm Recordsより。

現在のself-evidentの基礎たる作品。削ぎ落された音色のギター・ベースユニゾンしながら、反復する硬質リフは次第に情を帯びていく。良くも悪くもオモチャっぽい響きだったBrianのドラムセットの音色は芯の通ったものとなった。

オススメ楽曲: The Hypothesis(4), Bend(6), Solidarlity(6)

Recommend if you like: Shiner/ Shudder To Think/ Traindodge

Epistemology

2005年リリース、3rdアルバム。doubleplusgood Recordingより。

初代ドラマーBrian Heitzman最終参加作。第一期の集大成的作品。"凶悪リフ~穏やかなメロディアスパート"を持つ楽曲が多く、self-evidentの黄金アレンジがここで確立。楽曲間でつながっている部分も多く、トータルでの雰囲気が通底している。個人的大傑作。

オススメ楽曲: Deserve What You Get(2), The Disguise(5), All Model Showcase(7), Myth(8)
(正直全曲オススメ)

Recommend if you like: The Dismemberment Plan/ Faraquet/ pagtas/ Traindodge

self-evident

2007年リリース、4thアルバム。doubleplusgood Recordingより。

Ben Johnston初参加作品。緩急ある二面性という、前作の要素を引き継いだ楽曲はスピーディな目まぐるしい展開。よりメロディアスさを増し、バリエーション豊かに、しかしコンパクトに仕上げられた12曲約35分。

オススメ楽曲: Fraid(5), Currency(9), World As A Verb(11)

Recommend if you like: Traindodge

Billions EP

2008年リリース、2nd EP。StiffSlackにてリリース後、2011年doubleplusgoodでもリリース*10。4thアルバムのアウトテイク集。

実験的?~4thアルバムまでに聞いたことのないようなアレンジの楽曲も聞ける5曲18分。Benのドラムまで巻き込んで渾然一体となったリフ駆動の楽曲が多い。

オススメ楽曲: Theory(3), See Thomas Howl(4)

Recommend if you like: Climb The Mind/ Massacre/ People In The Box/ The Wicked Farleys

endings

2009年リリース、5thアルバム。doubleplusgood Recordingより。

展開の目まぐるしさ・音像の凶悪さは据え置きに、グロッケンシュピールバンジョー、ピアノが導入された。アコースティックな音と落ち着いたアレンジによって、ふくよかに枯れた(・・・・・・・・)一枚。反面、シャウトのある楽曲も多く、スクラムズ的な聞き方にも耐える。

オススメ楽曲: Holding On(2), The Future(6), Players(8)

Recommend if you like: Cursive/ Traindodge

We Built a Fortress on Short Notice 

2012年リリース、6thアルバム。doubleplusgood Recordingより。

前作から3年を開け、来日公演を果たしたのちの一枚。目まぐるしい展開はいくらか鳴りを潜め、突飛な展開の少ない楽曲群。情感がにじみ出すアルペジオとシャウトが、タンバリンの音に彩られて切迫した感情を想起する名盤。寂寥。self-evident的荒涼さの極地。

これまでの作品の目まぐるしさに混乱してしまっていた人であれば、この作品からならとっつき易いと思われます。

オススメ楽曲: Our Condition(2), Bartertown(4), Cloudless(8), Steve Stevens(9)

Recommend if you like: Make Believe/ The Jesus Lizzard/ Shellac

The Traveler

2015年リリースのコンピレーションアルバム。doubleplusgood Recordingより。未発表2曲、カバー2曲*11、新録4曲を収録。

初代ドラマーBrian Heitzmanの演奏(8)*12があったりと、意外と広範な録音を網羅した一枚。新録*13の1, 3曲目は6thの流れを汲んだ、しっかり/ゆったりとした足取りの楽曲。未発表の4, 5, 7, 8曲目は実験的ながら作品全体の雰囲気から逸脱することはないのも面白い。カバー楽曲と元楽曲の比較も楽しい。

オススメ楽曲: Home(3), Salvaged(5), Drowned in Flames(6)

Recommend if you like: Bear Craw/ Shellac/ Traindodge

Lost Inside The Machinery 

2019年リリース、7thアルバム。doubleplusgood Recordingより。

2025年現在最新アルバム。6thの荒涼感を引き継いだ落ち着いたテンポの長尺の曲が多い、枯れた雰囲気の盤。Benのハイハット/スネアに合わせて淡々と鳴らされるタンバリンの響きが、情感を湛えた歌と呼応してすさまじい寂寥感をもたらす。ストリングスやピアノといったオーケストラ的音色が導入されている。

オススメ楽曲: Waiting Forever Tonight(3), Plutonium Baby(4), You Run Circles Around the Others(7)*14, Skyfire in the Starcage(8)

Recommend if you like: Make Believe/ The Jesus Lizzard/ Shellac

Rarities 

2021年リリースのコンピレーションアルバム。自主リリース。
収録曲のうち何曲かは、日本輸入盤(SS版)にてボーナストラックとして視聴可能だったもの。

5th、6thの時期のアウトテイク集。1st収録のNight Terrors!のセルフカバーがある。落ち着き切った6th~7th期よりも以前の楽曲だからか、4thごろまでの雰囲気の楽曲も聞ける。

YouTubeの公式アカウントでまさに6thアルバムの頃の映像が上がっており、収録名とは違ったタイトルが楽しめたりする。9曲目は"Google Debussy"という名前でした。

オススメ楽曲: Fill Collins(5), You Are Nowhere(7), You Were Invited to Choose Your Own Battles(9)

Recommend if you like: People In The Box/ Traindodge/ The Wicked Farleys 

 


 

以上、いかがだったでしょうか。
少しでも、self-evidentを聴き始めるきっかけとしてお役に立つ記事になっていれば幸いです。こういうときほど、体系的に音楽を聴いてきたわけではない自分の経歴が恨めしく思えますが、そこは変えることはないでしょう。良いものが良いものですので。主観だからね。とはいえ、各作品のレコメンド等にご意見がある方はぜひご共有ください。新たな発見があると、とても楽しい!

私も何度も書いている通り─もとはと言えば日本リリースや公演を支援していたStiffSlackが書いてきた通り─、self-evidentの楽曲には他の何者にも代えがたい独自性があります。それが、あなたの趣向に合致するか否かは別問題として。
僕は相当に好きだから、彼らを少なくとも僕の周りに知ってもらわなければ、いてもたってもいられないのです。

更に(非常に悲しいことに)メンバーが逝去してしまった状況です。上記及び脚注でもふれたとおり、Tomがいた時期から日本ツアーの予定は組まれていたようですが、それでも彼がいなくなったことによる関係者へのダメージは計り知れない。ツアーの敢行に尽力いただいた各レーベル、スプリットを出すelephantの皆さん、何よりも新たな協力者を探し出して前進しようとしているself-evidentの皆さんにはいくら感謝してもしきれないほどです。絶対に、観に行きます。

ありがとう!!

 

*1:Second Robot, Trained to Walk Fixed Steps, Over (ライブテイク)

*2:この記事の最終盤、現在レコーディング中であることと日本ツアーを画策していることが書かれていた。ブログを書いていて読み直してようやく気付いた…。

*3:Bio — Ben Johnston

*4:Thirs Gear Scratch この曲の硬質なリフと不穏なブリッジの要素はまさにself-evidentに引き継がれている要素です。

*5:YouTubeのバンドアカウントも彼の管理じゃないか?ミニドラムセットのソロ動画が上がってたりします…。

*6:Sounds Like Braille - Right Out Of Left Field, Straight To The Middle Of Nowhere 十中八九違法アップロードだろうけど、Danteのコメントとか、メンバーの子どものコメントがあって面白いです

*7:CHEER-ACCIDENT - "Humanizing the Distance" - Sessions from Studio A 1981年から活動してるバンドで、スティーヴ・アルビニ録音だったり、Gastr del Solなんかと親交があったり、調べるほど大御所だなと思う

*8:The Wicked FarleysとThe Vehicle Birthのスプリットを出しているレーベル。

*9:Second Robot(6)について、Ben Johnstonのドラムによるライブ映像が存在する。

*10:Bandcamp作品ページのテキストで説明されている

*11:カバー楽曲は2, 6曲目。盟友Bear ClawとTraindodgeの楽曲。SSの販売ページに詳しい。

*12:やはりBrianのドラムセット、しっかりスネアはカンカンである!

*13:Discogsの録音者情報から推察。カバー楽曲は新録と同時に録られているため。

*14:非常に珍しいConradのファルセットはこの楽曲で聞ける。2016年時点で存在していた楽曲

炭酸入りコーヒーの歌

2025年5月26日、伊藤園*1から、炭酸入りコーヒー飲料FIZPRESSOが販売され始めたという。これは2023年、界隈では「合法黒ビール」と名高いGASSATAの発売から2年ぶりの偉業だ。
とはいえ伝聞系なのは、ニュースリリース自体は確認しているものの、未だに私は該当の商品を見つけ出せていないからである。
出勤時でも休日でも、近場のコンビニやスーパー、はたまた遠出の際の駅のホームをなめまわし尽くし、それでも炭酸入りコーヒーを見つけ出すことができなかった。
やがて、決して見つけ出せない炭酸入りコーヒーは市場に出回っていないものなのだ、と頭では忘れ去ろうとして過ごしてはいるのだが
(炭酸入りコーヒーなぞ好むのは一部の狂人のみなのだから、仕入・販売のメリットなど見出せる小売店は少ないはずだ。
資本主義社会に生きるもの (決して美しさでは終われないもの)として、そんなものが商流に乗るはずが無いことぐらいは、分かる。)、
それでも、コンビニや小売店、自販機があると炭酸入りコーヒーの影を探し、そのたびに見つからなくてため息をついてしまう。いやがうえにも。

 

 

どこかで似たような話を聞いたことがある。
……山崎まさよしOne more time, One more chanceがこの心情を歌っている!!

www.youtube.com

 

山崎まさよしは、One more time, One more chanceで炭酸入りコーヒーを別れてしまった恋人になぞらえて悲痛に歌い上げているじゃないか。
これ以上何(ネスカフェスパークリングカフェボスブラックスパークリングサントリーエスプレッソーダUCCフルスロットルワンダコニック伊藤園ガッサータ、そして今回のフィズプレッソ)を失えば 心は許されるの?
なんたる悲痛な叫びか。
炭酸入りコーヒー愛飲者は、両手に収まるほどの炭酸入りコーヒーとの出会いと別れを繰り返している。今回のFIZPRESSOと私たち炭酸入りコーヒー愛飲者とは、まず出会う前から別れてしまうのだろうか?
山崎まさよし、あなたも、向いのホームの自販機に君(ネスカフェスパークリングカフェボスブラックスパークリングサントリーエスプレッソーダUCCフルスロットルワンダコニック伊藤園ガッサータ、そして今回のフィズプレッソ)の姿を探してしまっていたのですか?

すべてかけて飲み干してやるから、売られててくれよ、炭酸コーヒー。

 

流石に、本当に全然見つからない。Amazonで買っちゃおう。
ということで買いましたが、24本入り、3100円でした。はあ。

 

そういや炭酸入り豆乳飲料も好きだったなあ。あれは美味しかったですし、内容量が異様に少なかった。後味のクリーミーさが良かった。炭酸の後に豆乳嚥下後の口内~咽喉に残るクリーミーさがあるのが面白かったんですよ。また飲みたいです。

 

 

追加 6月8日

届いたよ!思ったよりライムが美味しかったな。普通のは想像通り、炭酸入りのコーヒーでした。

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助けてくれ…。

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*1:TULLY'S COFFEEブランドだが、TULLY'S COFFEEは伊藤園の完全子会社らしい 知らんかったわ

バレない泣ロタ

自分のワロタは、時には泣ロタの要素を持っている。
そしてそれは、相手に伝えないと、相手に伝わらない。
そういうことに、ちかごろようやく気づけたんです。

 

自分のことは自分が最も理解できてるとでも思ってるんですか?おこがましいな。
…おこがましいですね…笑