テザリング組手

火を見て森を水

This Charming Man (The Smiths) 拙訳

Punctured bicycle
パンクしたバイシクル
On a hillside desolate
丘の上に一人
Will nature make a man of me yet?
大人になれるんだろうか?

When in this charming car
小洒落た(あでやかな)車から
This charming man
ああ 洒落た男子

Why pamper*1 life's complexity
何故暮らしにかまけてるの
When the leather runs smooth
助手席はこんなに滑らかな
On the passenger's seat?
革張りなのに

 

I would go out tonight
遊びに行きたいんだ
But I haven't got a stitch*2 to wear
でも着てくものが一つもない
This man said, "It's gruesome*3
「ああなんて狂ってるんだ
Thant someone so handsome should care"
こんなハンサムが悩んでるなんて」

A jumped-up pantry boy*4
はしゃいだパントリーボーイ
Who never knew his place
脇目も振らず
He said, "Return the ring"
「返せ、盗んだリング!」
He knows so much about these things
いいの 些末なことさ
He knows so much about these things
ああ お粗末様でした

I would go out tonight
遊びに行きたいんだ
But I haven't got a stitch to wear
でも着てくものが一つもない
This man said, "It's gruesome
「ああなんてイカレてるんだ
Thant someone so handsome should care"
こんなハンサムが迷ってるなんて」
La la la..., this charming man
(原詞を歌ってください)
La la la..., this charming man
(原詞を歌ってください)

 

A jumped-up pantry boy
はしゃいだパントリーボーイ
Who never knew his place
脇目も振らず
He said, "Return the ring"
「返せ、盗んだリング!」
He knows so much about these things
いいの 些末なことさ
He knows so much about these things
ああ お粗末様でした
He knows so much about these things
いいの 些末なことさ

 

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1983年、Hand in GloveにてデビューしたイングランドマンチェスターのロックバンドThe Smithsの二枚目のシングル。
一枚目が2月、このThis Charming Manが10月にリリースされたようです。
英語のWikipediaでは、この曲のギターリフを「ジャングルポップ」と表している。確かにモロヘイヤ混ぜてるような感覚するもんね。
→Auroraさんより、「"jungle"じゃなくて"jangle"だべ?」と指摘がありました。jangleはジャラジャラした、ごちゃごちゃした、という意味なのかな。ジョニー・マーのギターと絡むようなリズム隊、その上をピンボーカルだからこそヒップホップのように泳ぐモリッシーの歌は、確かにごちゃごちゃと絡まっている。(4/14追記)
オリジナルアルバムには未収録らしいけど…現代のサブスクの1stには6曲目に入ってます。元来は未収録みたい。今度抜いて聞いてみようかな。

この歌の内容は、一般には「貧しい少年がCharming Manと出会って援助を受ける」、と受け取られているようです。また、男性同士の同性愛(少年が魅力的な男性に出会う話ですし)も描いているとか。
詳細はSongfactsに詳しい。
部分引用します: 

曲中で丘の上で一人ぼっちの主人公が、素敵な男性に(パーティに)誘われるが、着るものがないからと拒否をする。
これは、個人的な経験に基づくものであると、フロントマンのモリッシー1984年のUndressの中で語っている。「何年もの間、僕は定職に就けず、お金がなかった。つまり、服など一切持っていなかったんだ。パーティに誘われるなんて稀な機会には、動かずにこう口にしようと決めていた。『おおお天道様よ、そんな場所に着ていく服も靴も持ってないから、行くことなんでできませんよ』と。だからそんな、汚らわしいパーティに行く機会をいつも逃していた。これは不幸中の幸いだったよ」
モリッシーは、サビの一連の流れについて、1972年に映画化された"Sleuth"より引用している。1945年、ヘンリー・グリーンによって書かれた"Loving"を基にしたこの映画中では、曲で語られているような出来事が同じく起きるのである。

上記情報より、サビに出てくるHeは必ずしも同一人物を示す代名詞ではないと判断しました。
サビに登場する人物としては、pantry boy(=主人公)、(恐らく)this charming man(もしくはパーティに参加している別の男性)の二人。
A jumped-up pantry boy who never knew his placeは、書いてある通り主人公。
しかしその次のReturn the ringを発話したのは主人公ではなさそうです。
更にその次の、so much about these thingsを知っているのは、主人公。
貧しい身分の主人公からしたら、(謂れのない)疑い・批難・理不尽など慣れっこだよ、という諦観ある歌詞だとして和訳を行いました。

上記に引用したモリッシーの言葉から考えると、pantry boyはthis charming manからパーティの誘いを受けるが拒否、代わりにと指輪を貰ったのに、結局返せと詰め寄られてしまう、という展開がしっくりくるでしょうか。

イングランドの階級についても勉強しないと、また映画Sleuthを見ないと、把握できないことが多そうです。どちらも恐らくやりませんね。

 

歌いました:

soundcloud.com

 

こちらの動画を、ベースのコピーの際に参考にしました。

サビのリズム隊がかっこよく、おションベンを漏らすかと思いました。

*1:甘やかす オムツのパンパースの由来なんじゃないですかね

*2:元来は(布・衣服の)縫い目という意味 転じて ボロ

*3:ぞっとする 身の毛がよだつ

*4:給仕の少年